鈴木亜由子 地元の声援力に日本勢最高2位 初の21分台でMGCへ「可能性信じて挑戦」
「名古屋ウィメンズマラソン」(12日、バンテリンドームナゴヤ発着)
東京五輪代表の鈴木亜由子(31)=日本郵政=が地元・愛知で2時間21分52秒の自己ベストをマークして日本勢最高の2位に入った。同代表の前田穂南(26)=天満屋=は2時間22分32秒の自己ベストで3位に入り、24年パリ五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を獲得。ルース・チェプンゲティッチ(ケニア)が2時間18分8秒で大会2連覇。今大会でMGC切符をかけた主要選考レースが終了した。
温かい声援を浴び、懸命に足を動かした。1キロでチェプンゲティッチが飛び出し、鈴木亜は2位集団で追走。25キロから前に出ると、31キロでロングスパートをかけて勝負に出た。「終盤は本当に足も呼吸も苦しかったんですけど、沿道の皆さんが声援を下さった」。地元の力を借り、初の21分台をたたき出した。
21年の東京五輪では19位に終わったが、昨年のベルリンマラソンで当時の自己ベストを6分以上更新する2時間22分2秒を出すなど奮闘。マラソンは今回が5度目の挑戦で、「手探りだった練習がやっとリンクするようになった」と大きな手応えを感じている。
「あまり駆け引きという意識はなくて、練習してきたことをそのまま出した」と自然体の走りで日本勢最高の2位。これには高橋昌彦監督も「世界との差はあるけど、彼女の底力を改めて感じた」と目を細めた。
MGCへ、弾みとなるレースだった。「今後は(2時間)20分を切るとか、まだまだ自分の可能性を信じて挑戦していきたい」。31歳の成長は続く。