【パリ五輪新競技ブレイキン展望】石川ブレイクダンス本部長「メダルは取れる」
2024年パリ五輪の開幕まで14日で500日。新競技「ブレイキン(ブレイクダンス)」で、初めての五輪出場を目指す21年世界選手権女王の福島あゆみ(ダンサー名・AYUMI、39)が13日までにデイリースポーツのインタビューに応じた。出場となれば41歳で迎える夢舞台。競技を始めた21歳からの道のりを明かし「一個一個頑張ってその先にパリ(五輪)があったら。一つずつ進化できるように」と決意を込めた。
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パリ五輪は男女各16の出場枠を争う。日本からは最大で4人(男女各2人)。出場権を獲得する方法は①世界選手権(9月、ベルギー)優勝②アジア大会(9~10月、中国)優勝③24年3~6月に開催される五輪予選シリーズ3大会の成績上位の3通り。
男子では22年世界選手権銀の半井重幸、女子では世界一経験を持つ福島あゆみ、湯浅亜実らが有力候補。ブレイクダンス本部長の石川勝之さん(ダンサー名・KATSU1)は「今の流れでいけばメダルは取れる。一戦一戦が大事」と語った。
◆ブレイキンとは ブレイキンは1970年代に米ニューヨークのサウスブロンクスから始まった。不良グループ同士の抗争が激しい地域で、ケンカの代わりにダンスで解決することが発祥のきっかけ。そのことから「触らない格闘技」と比喩される。日本には「ワイルド・スタイル」というヒップホップドキュメンタリー映画が入ってきた83年から広まったと言われている。
練習場所では常に音楽が鳴り響く。コーチが指導することはほぼなく、選手は自分の感性に合わせて好きに踊る。その中で個性が磨かれ、一人一人異なるダンススタイルが競技の魅力となる。
パリ五輪では1対1を採用。流された音楽に対して即興で交互に踊り合い勝敗を決める。同大会の採点方法はまだ明らかになっていない。2月の全日本選手権では5人のジャッジが技術、表現、総合性の3つを軸にした評価基準で採点した。
踊りは立った状態で足のステップと上半身の動きを組み合わせる「トップロック」、かがんだ状態で素早く足を動かす「フットワーク」、背中や肩を床について回転する「パワームーブ」、動きを数秒止める「フリーズ」の4つの要素がある。