国枝さん母と妻、晴れ舞台見届け 国民栄誉賞表彰式
17日に官邸で行われた元車いすテニス男子選手の国枝慎吾さん(39)の国民栄誉賞表彰式には母珠乃さん(65)、妻愛さん(39)も出席した。パラスポーツ界で初受賞となった国枝さんの歩みに大きく関わった2人は晴れ舞台を見届け、感無量の様子だった。
国枝さんは9歳で脊髄腫瘍のため車いす生活に。珠乃さんはスポーツ好きの息子がふさぎ込まないよう自宅にバスケットボールのリングを設置し、自身の趣味だったテニスに連れ出した。国枝さんを、珠乃さんは「車いすの生活になったときも、選手になってからけがをしたときも腐らず、前向きに頑張ってきた」とねぎらった。
愛さんは結婚後、アスリートフードマイスターの資格を取得。海外遠征に同行し、食生活をサポートした。世界トップで戦い続ける夫の心にも寄り添い「『もう無理だな』『もう引退だな』と、吐き出せる場所があってよかった」と国枝さん。愛さんは「道のりは決して簡単ではなかったけれど、今までやってきたことがこのような形で認めていただけてうれしい」と報われた苦労に表情を緩めた。