山縣亮太、来年パリ五輪が集大成「ロスは考えてない」右膝手術明け今季は調整優先「世界陸上こだわらない」
陸上男子100メートルの日本記録保持者で21年10月に右膝を手術した山縣亮太(30)=セイコー=が20日、オンラインで取材に応じ、復活のシーズンに向けて「今年はパリ五輪のための1年にしたい。世界選手権(8月)やアジア大会(9月)は出られたらいいが、(出場に)こだわりすぎずにやりたい。無理やり合わせてスケジューリングしてしまうことが一番膝に良くない」と、無理はせずに来年への土台づくりを優先する考えを明かした。
手術後、昨年8月からトラックでの練習を再開。リハビリ中から右膝や足首への負担を軽減するフォームの改善に取り組みつつ、フィジカル強化で出力を高めていたといい、「一発のパワーは今結構ある」と手応えを明かした。今季は世界選手権などへの出場に重きを置いておらず、あくまで来季への調整優先。「今自分に求められるスピード、練習強度を日々しっかり設定しながら、ちょっとずつ調子を上げていきたい。一足飛びではなく、それが2024年につながっていく。(今年の大きな大会である)世界陸上ありき、アジア大会ありきでは考えていない」と強調した。
現時点では来年のパリ五輪を集大成と位置づけているといい、「これまでの五輪同様、ものすごく大切な試合になる。年齢的にももしかしたら最後の五輪になるかもしれないので、そろそろ結果を出さないと。1年1年の勝負になっていく」と背水の決意。「パリまでは見据えているが、(28年)ロス五輪まで見据えているかというと(今は)正直考えてない。翌年に東京で世界陸上があるので、そこに向けてできればやりたい」とキャリアプランを語った。
21年9月以来の実戦となる4月2日の東京六大学対抗大会(国立競技場)では200メートルにエントリーしているが、「リラックスして考える余裕があるレースの中から戻ることが大事かなと。2023年は(取り組んできた)技術を高いレベルで定着させていき、スピードも上げていく、そういう1年にしたい」と狙いを説明。順調なら4月29日の織田記念国際(広島)で100メートルに復帰し、6月の日本選手権(大阪)に向けて調整していく。