坂本花織 涙の連覇 日本勢史上初「ずっと悔しさでした」不満残る内容も4年前5位の舞台でリベンジ

 金メダルを胸に声援に応える坂本花織(撮影・堀内翔)
女子フリーを終え頭を抱える坂本花織(撮影・堀内翔)
優勝した坂本花織(中央)。左は2位のイ・ヘイン、右は3位のルナ・ヘンドリックス(撮影・堀内翔)
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 「フィギュアスケート・世界選手権」(24日、さいたまスーパーアリーナ)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位で22年北京五輪銅メダルの坂本花織(22)=シスメックス=がフリー145・37点、合計224・61点で全種目を通じて日本勢初の連覇を達成した。SP3位の三原舞依(23)=シスメックス=はフリー132・24点、合計205・70点で5位。アイスダンスのリズムダンス(RD)は、22年四大陸選手権銀メダルの“かなだい”こと村元哉中(30)、高橋大輔(37)=関大KFSC=組が72・92点の11位で25日のフリーダンス(FD)に進出した。

 きゅっと顔をしかめて、両手で頭を抱えて涙した。「ずっと悔しさでした」-。坂本はジャンプを次々に決めたが、終盤の2連続ジャンプで最初の3回転フリップが1回転になった。その後に何とか3回転トーループをつけたが不満の残る内容。それでも連覇の懸かった表彰台の頂点は誰にも渡さなかった。

 同会場で初出場だった4年前は5位。「リベンジ」と挑んだ舞台は、「全く同じミスをして本当に自分が情けない」と泣き笑いだ。「メダルを見たらうれしいけど、パッと顔を上げたら悔しい」。それでも、中野園子コーチは「とっさに(ジャンプを)しめたのは偉かった」と評価した。

 「“一発屋”と思われたくない」。昨季は北京五輪で銅メダルを獲得し、世界選手権で初優勝。満足しきってもおかしくないだけに、今季は重要だと位置づけた。振付師を平昌五輪シーズンからタッグを組んできたブノワ・リショー氏からSP、フリーとも変更し、新境地を模索した。

 SPを担当したロヒーン・ワード氏は個性的な演技で知られており、「軟体動物みたいな背中のしなやかさ」を教わった。時には1時間ほど試行錯誤し、鏡を見て研究もした。「筋肉痛になるぐらい」だった特訓で、表現面でも磨きをかけた。

 世界女王を背負う難しさも知った。シーズン中盤はモチベーションに悩み「頭の中で天使と悪魔が戦っている」と表現したことも。初優勝を狙ったGPファイナルはまさかの5位だったが、「逆に吹っ切れた」と自らに“喝”が入った。

 3連覇を問われると、「えーはや!」と豪快に笑いながら、「それはちょっと…10カ月後ぐらいに考えます」と“お預け”だ。酸いも甘いも知る世界女王は、さらに強くなって戻ってくるはずだ。

 ◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でスケートを始めた。神戸野田高を経て、現在は神戸学院大経営学部4年。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権で銅メダル。シニアデビューの17年に全日本選手権で2位に入り、18年平昌五輪で6位入賞した。18年四大陸選手権を制し、同年全日本選手権で初優勝。22年北京五輪で銅メダルを獲得し、同年の世界選手権を初制覇した。159センチ。

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