宮城県出身28年ぶり新十両の時疾風 東日本大震災が力士目指したきっかけ 地元への恩返し誓う「盛り上げられたら」

 日本相撲協会は29日、大相撲夏場所(5月14日初日、両国国技館)の番付編成会議を大阪市内で開催し、時疾風(26)=時津風、藤青雲(25)=藤島=の新十両昇進、千代栄(32)=九重=の十両昇進を決めた。

 宮城県栗原市の時疾風は、地元への恩返しを誓った。同県出身の新十両は五城楼(現浜風親方)以来28年ぶりとなった。自身や身近な人に大きな被害はなかったものの、東日本大震災が力士を志すきっかけになったという。

 震災当時は中学2年生。「次の日が卒業式で準備をするために体育館にいた。すごく揺れて。自分の家とかも、電気、水道が1カ月以上止まった状況だった」と説明した。南三陸などよく行っていた海岸に震災後に足を運び、衝撃を受けた。「ちょっと落ち着いたころに見に行ったんですけど、本当に更地っていうんですか、真っさらに。それを見た時に中学生ながら、相撲で元気づけられるのかなって、ちょっと思ったんでしょうね」と振り返った。

 東農大から角界入りを決めるにあたり「震災のこともあったので、上がって強くなって、宮城に恩返ししたいっていう気持ちはありました」。19年春場所の初土俵から4年での関取昇進。抱いてきた思いを実現するスタートラインに立ち「これで少しでも勇気づけられたり、盛り上げられたりしたらいい」と意気込みを口にした。

 身長178センチ、体重130キロで、得意は左四つ、寄り。貴景勝や霧馬山、翠富士、錦富士らと同学年になる。「やっぱり刺激になります。早く対戦できるようになりたい。まず近い将来、幕内に上がることを目標にやっていきます」と早期のさらなる出世を誓った。

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