羽生結弦さん ファントム熱演「封印してきたプログラム」で魅了 宇野らとプロ転向後初共演
「フィギュアスケート・スターズ・オン・アイス」(30日、東和薬品ラクタブドーム)
フィギュアスケートの世界的なアイスショー「スターズ・オン・アイス」の日本ツアーが30日、東和薬品ラクタブドームでの大阪公演で開幕し、14年ソチ、18年平昌五輪2大会連続金メダリストで、プロスケーターの羽生結弦さん(28)が2年ぶりに出演した。14-15年シーズンのフリー「オペラ座の怪人」を披露し、5千人の観衆を魅了。宇野昌磨(25)=トヨタ自動車、坂本花織(22)=シスメックス、“りくりゅう”こと三浦璃来(21)、木原龍一(30)組=木下グループ=らとプロ転向後初競演となったアイスショーで、大阪の夜を彩った。
思いのこもった滑りだった。荘厳なオペラにのって、4回転トーループ-3回転トーループなど3つの連続ジャンプを含めた計5つのジャンプも組み込み、悲恋の物語を熱演。会場はこの日、一番の歓声に包まれた。
14-15年は中国杯での衝突事故など苦難の中で戦い続けたシーズン。「病気や怪我にすごく苦しんだシーズンのプログラムだったので、長い期間、もうこれは滑らないと思って、ある意味封印してきたプログラム」と明かした上で、2月にスケーターとして初の東京ドーム公演で封印を解いた後、「もっと完成させたものを皆さんにお届けしたい」と、決意したという。
会場は衝突事故の影響が残る中でNHK杯を戦った場所だった。「あの時は事故の影響も少なからずあって、うまく滑れなかったので、そういった意味でもこの会場でいい演技ができたらいいなという思いもこめて滑りました」。魂の舞を人々の心に刻みつけた。