柔道・向翔一郎 初戦敗退で号泣「過去イチ仕上がっていた」100キロ級転向でパリ五輪挑戦明言「諦めない」
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(2日、福岡国際センター)
男子90キロ級1回戦で、東京五輪代表の向翔一郎(27)=トーシン工業=は、中西一生(旭化成)に3分44秒、袖釣り込み腰で一本負けした。パリ五輪代表争いで大きく後退し、試合後は号泣。今後は100キロ級に転向して24年パリ五輪に再挑戦することを明言し「最後まであきらめたくない。今の階級では厳しいので、残りの柔道(人生)、自分のやりたいようにやっていきたい」と宣言した。
向は持ち味の野性的な動きで間合いを詰め、肩車などを狙っていったが、中途半端な掛際を返されて「技あり」を先に奪われた。終盤も逆転を狙っていったが、逆に袖釣り込み腰に乗っかってしまい一本負け。取材エリアでは膝に手を突いて顔を覆い「今日は過去イチで仕上がっていたつもりだった。めちゃくちゃ悔しいです」と号泣した。
21年夏の東京五輪に出場したものの、以降は実績を残せておらず、24年パリ五輪代表争いでは出遅れている。所属も変わり、世界選手権(5月、ドーハ)代表の村尾三四郎(ジャパンエレベーターサービス)を追う上でも今大会の優勝が必須だったが、厳しい状況となった。
「いつもは(負けても)仕方ないで片付けているが、(今回は)いろんな決断を強いられるかなと。やり方を変えていく」と口にし、「100キロ級に上げる」と明言。8月の全日本実業団個人選手権(兵庫・ベイコム総合体育館)から新階級に挑戦する意向を示し「パリを最後に辞めたいと思っているので、最後まで諦めない」と歯を食いしばった。