野村忠宏氏がミキハウス入社式で新入社員に金言「若さは力」「築いてきた価値観に縛られたら自分の可能性をせばめる」
ミキハウスは3日、大阪府八尾市のミキハウス八尾南本社で入社式を行った。同社のスポーツクラブには7人の所属が決まり、競技活動のため欠席となった4人を除き、柔道女子48キロ級で1日の全日本選抜体重別選手権を制した荒川朋花(22)、卓球女子で23年全日本選手権ダブルス3位の大藤沙月(18)、21年のインターハイで女子では24年ぶりとなるシングルス、ダブルス、団体の3冠に輝いた横井咲桜(18)が入社式に出席した。
荒川は「気持ちも新たに、社会人として、ミキハウスの一員として世界一を目指す気持ちになった」と語った。大藤は「入社したからには、しっかり活躍をして貢献できたらと思う」と抱負を述べ、横井も「うれしいし、気持ちを新たに、いいスタートを切られるように頑張りたい」と意気込みを口にした。
式ではミキハウススポーツクラブGMを務め、柔道男子で五輪3連覇を果たした野村忠宏氏(48)が新入社員に激励のメッセージを送った。壇上で「3歳から柔道を始めたが、中学になったときに女の子に負けて、高校に入った時は柔道部の先生だった父から『もう柔道をやめていいぞ』と言われるぐらい弱かった。だれも五輪3連覇なんて期待していなかった。自分の未来に確証はなかったけど、柔道が好き、強くありたいという思いがあって、真剣な努力を続けた。未来の自分に期待して頑張り続けた。勝てない期間に自分を信じる力、確証のない未来を自分に引き寄せるひたむきな努力があったから今の自分がある。築いてきた価値観に縛られたら自分の可能性をせばめる。若さは力。若さを存分に生かして、失敗してもいい。自分が大きくなるため成長するために、どんどんチャレンジをして自分の可能性を広げていってほしい」と言葉を送った。
偉大な先輩のメッセージに、荒川は「つらいことがあってこそ自分が見られるということで、大学でもきついことがあっても乗り越えて今回(の全日本選抜体重別選手権で)日本一になれた。つらいところでも踏ん張っていこうと思った」と話した。大藤は「結果を出してこられた野村さんの言葉を聞いて胸に刺さった。しっかり自分の芯を持った人間になりたいと思った」と感想を口にし、横井は「私も最初は成績を出せなかった。野村さんは世界一を取った方。近づけるように、その意識を持って頑張ろうと思う」と刺激を受けていた。