池江璃花子 6年ぶり世界切符ゲット 復帰後ベストで大逆転V「自分は池江璃花子なんだ」

 女子100メートルバタフライで優勝し水面をたたいて喜ぶ池江璃花子(撮影・佐々木彰尚)
 女子100メートルバタフライで優勝し、スタンドに手を振る池江璃花子
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 「競泳・日本選手権」(4日、東京アクアティクスセンター)

 7種目で決勝が行われ、女子100メートルバタフライは21年東京五輪代表の池江璃花子(22)=横浜ゴム=が57秒68の復帰後ベストで優勝を飾った。派遣標準記録(57秒92)を突破し、復帰後初の個人種目代表入りが内定。17年大会以来6年ぶりの世界選手権(7月、福岡)出場を決めた。同200メートル個人メドレーは、世界ジュニア選手権2冠の成田実生(金町SC)が2分10秒91で制して初のシニアでの代表入り。男子400メートル個人メドレーは、瀬戸大也(CHARIS&Co.)が6大会連続の世界選手権切符をつかんだ。

 流すのはもう悔し涙じゃない。電光掲示板に光るタイム、「1」の文字を確認すると、池江は水面を叩き、何度も何度も右拳を握りしめた。21年から遠ざかっていた五輪種目の“本命”100メートルバタフライの復帰後ベストタイムだ。4年ぶりの有観客となった客席からは「璃花子ー!」と呼ぶ声。手を上げて応えると、思わず感情があふれた。

 「どんな結果でもチームメートと笑って帰ってこようねと約束して送り出された。笑顔で帰れるのがすごくうれしい。最後は自分を信じて泳ぎ切ろうと思った」

 白血病公表から約4年。懸命なリハビリで21年は東京五輪出場を果たすも、昨年は代表入りを逃した。特に気持ちの面でダメージは大きく、大会のたびに「自信がない」とつぶやいた。

 ただこの日はスタート台で「自分は池江璃花子なんだ。本来なら誰にも負けるわけはない」と自らを奮い立たせた。前半50メートルを4番手で折り返し、横一線のデッドヒートをラスト数メートルで差し切る大逆転V。「優勝できて本当にうれしい。ものすごく自信になった」と笑顔で振り返った。

 個人種目代表入りは18年アジア大会以来で、白血病から復帰後初。横浜ゴム所属の新社会人として臨む初レースでもあった。

 池江が掲げる最大の目標は24年パリ五輪。まだ自己ベスト56秒08とは差があるが「世界に挑戦する意味ではすごく大きな一歩を踏み出せた。いずれは56秒台をコンスタントに出せるように」と完全復活への手応えをつかんだ。勝負の世界選手権へ。7月福岡の地でまた新たな一歩を刻む。

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