16歳・成田実生2冠達成 “寝坊事件”乗り越え自信「大舞台で優勝うれしい」

 「競泳・日本選手権」(9日、東京アクアティクスセンター)

 女子400メートル個人メドレーは、16歳の成田実生(金町SC)が4分36秒89で初優勝し、日本水連の選考基準を満たして世界選手権(7月、福岡)の代表入りを決めた。同じく代表入りした200メートル個人メドレーとの2冠を達成。谷川亜華葉(あげは、イトマン近大)も4分37秒90の2位で代表の切符を手にした。

 競泳界のニューヒロインが2枚目の世界切符を射止めた。優勝した成田は「結構プレッシャーや緊張もあった」とホッとした表情。トレードマークのおっとり口調で「大舞台で、勝負がかかった中で優勝できたことはうれしい」と誇った。

 粘り抜いた。前半は「楽に速く」と4番手で折り返したが、平泳ぎでグッとスピードを上げて先頭を奪取。最後の自由形は「止まりそう」になりながらも何とか耐えきった。

 実は、今大会には自信を持てずに挑んでいた。その要因の一つが、3月中旬の“寝坊事件”。朝から練習に向かうはずが、目覚ましの音が聞こえず、目を開けると「練習が終わるぐらい」の午前9時45分。「ショックでした」とかなり落ち込んだ。

 コーチからは「選考会前に寝坊する人なんていないよ!」と言われ、「怒ってたかなと思う」と苦笑い。「それもあって結構不安でした」と自信を持てずにいたが、200メートルでは東京五輪金メダルの大橋悠依(イトマン東進)を破って優勝するなど実力を示した。

 24年パリ五輪出場も現実味を帯び、「今回2種目で(世界選手権代表に)入ることができて、目指したい思いが強くなりました」と目を輝かせる。今後は「自信がつく練習」をして世界選手権に入る予定。自信を“実”らせ、世界の舞台で“生”かしてみせる。

 ◆成田実生(なりた・みお)2006年12月18日、東京都出身。幼稚園に入る前からスイミングスクールに通い始める。常磐中3年時、全国中学校大会の個人メドレーで200メートル優勝、400メートル2位。22年3月の国際大会選考会では400メートル個人メドレーで2位に入り、アジア大会代表に選出(大会はコロナで延期)。同年4月からは淑徳巣鴨高(東京)に進学。同年の世界ジュニア選手権で個人メドレー2冠。趣味は絵を描くことと、家族とのドライブ。160センチ、42キロ。

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