レスリング パリ五輪金候補の19歳・藤波朱理が吉田沙保里に並ぶ「119連勝」アジア選手権で3戦無失点の完勝V

 女子53キロ級で優勝し、吉田沙保里が記録した119連勝に並んだ藤波朱理(左)
 女子53キロ級で優勝し、メダルを掲げる藤波朱理(左から2人目)。吉田沙保里が記録した119連勝に並んだ
 女子53キロ級で優勝し、吉田沙保里が記録した119連勝に並び笑顔の藤波朱理。右はコーチで父の俊一氏
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 「レスリング・アジア選手権」(12日、アスタナ)

 女子53キロ級決勝が行われ、21年世界選手権女王の藤波朱理(19)=日体大=がアンティム(インド)に2分49秒でテクニカルフォール勝ちし、2連覇した。今大会3試合を全て無失点のテクニカルフォールで勝ち抜き、中学2年から続く自身の公式戦連勝記録を「119」に更新。五輪3連覇の吉田沙保里が持つ119連勝の大記録に並んだ。

 24年パリ五輪の金メダル候補が、また1つ節目の数字をつくった。藤波は初戦で台湾選手、準決勝でモンゴル選手に完勝し、決勝も開始早々にタックルでテイクダウンを奪ったのを皮切りに、グラウンドでも圧倒して連続得点。鉄壁のディフェンスで失点も許さず、涼しげな表情でマットを降りた。

 「連勝記録は気にしていない」と常に公言しているものの“霊長類最強女子”に並ぶ119連勝を達成。今年2月のクロアチア、3月のブルガリアに続く3カ月連続の国際大会というハードスケジュールとなったが、渡航前に「海外で経験を積みたいのも(目的の)1つ。53キロ級は自分の階級だと世界に知ってもらいたい。優勝はもちろんだが、次につながる試合をしたい」と話していた通り、今後の大舞台での戦いを見据えてアジアの頂点に立った。

 パリ五輪に向けては、第1次選考会となった昨年12月の全日本選手権を制して代表争いを先行。今年6月の明治杯全日本選抜選手権も優勝すれば五輪切符に大きく近づくが、まだ対戦経験のない東京五輪金メダルの志土地真優(ジェイテクト)らも背水の覚悟で臨んでくるだけに、「パリに行くのは絶対に自分。強い気持ちを持って臨む」と強い決意を明かしていた。

 ◆レスリング日本女子の連勝記録 吉田沙保里が2001年12月に山本聖子に負けたのを最後に、08年1月のW杯団体戦で敗れるまで119連勝を記録。団体戦を除けば206連勝を飾った。五輪4連覇の伊調馨は負傷による不戦敗を除き、03年5月~16年2月まで189連勝を飾った。藤波は中学2年時の17年全国中学選手権決勝で伊藤海に敗れたのを最後に、無敗での連勝を継続。昨年6月の明治杯で優勝し、吉田、伊調に続き、日本女子史上3人目となる「100連勝」の大台を突破した。

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