30年札幌五輪、実現困難 機運停滞、IOCが方針転換か
【ジュネーブ共同】札幌市の2030年冬季五輪招致が困難な情勢となっていることが14日、複数の関係者への取材で分かった。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職、談合事件の影響で日本の機運が停滞し、札幌市を最有力候補としてきた国際オリンピック委員会(IOC)が他の候補地に事実上照準を切り替えたとみられる。日本側でも34年以降への先送り論が強まっており、招致活動は仕切り直しとなる。
札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は引き続き招致活動を続けるが、34年大会は02年大会を開催した実績のある米ソルトレークシティーが有力とされており、1972年札幌、98年長野に続く日本で3度目の冬季五輪は、見通しが立たない状況となった。IOC関係者は「札幌側が全ての問題を解決しないといけない」と述べた。
五輪招致が争点となった9日投開票の札幌市長選では推進派の秋元克広市長が3選を果たしたが、反対派に票が流れた。これを受け、秋元氏やJOCの山下泰裕会長が招致時期の見直しを含めて検討する必要性に言及していた。