八村塁 PO自己最多の29得点で白星発進 レブロンも絶賛「(活躍)大きかった」

 シュートを狙う八村(28)(NBAE・ゲッティ=共同)
 活躍し笑顔の八村(AP=共同)
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 「NBA・プレーオフ1回戦、グリズリーズ112-128レイカーズ」(16日、メンフィス)

 プレーオフ(PO)1回戦(7回戦制)第1戦が各地で行われ、西カンファレンスでレーカーズの八村塁(25)は敵地メンフィスでのグリズリーズ戦に途中出場で29分48秒プレーし、POの自己最多を更新する29得点に、6リバウンドを挙げた。レギュラーシーズンでは4度、30得点をマークしている。西の第7シードのレーカーズは第2シードの強豪に128-112で快勝し、白星発進。第2戦は19日(日本時間20日)にメンフィスで開催される。

 八村がここ一番で大爆発した。ベンチスタートも、第1Q途中にエースのレブロン・ジェームズに代わって登場した。前半は8得点。第3Qには12得点を重ねる無双ぶり。チームを劣勢から救い「最初の試合はとても大事。勝利が必要だった。今日は攻守両面でいいエナジーを持ち込み、最後までそれを保てた。日本のため、自分に何ができるかを見せたかった」と大きく胸を張った。

 前半の終盤に主軸のデービスが負傷した。「故障者が出たら、次の選手が役目を果たそうとチームで話した」。その意気込みを体現し、後半に暴れた。3点を追う第3Q中盤にコートに立つと、約4分の間に4本の3点シュートを決め、6点リードをもたらした。一時逆転された第4Qにも、自らのジャンプシュートで再度リードした。

 特に3点シュートは6本放って、NBA入り後で最も多い5本を射抜いた強心臓は「大きい試合でこそ僕の強みが出てくるし、大好き」と満足感たっぷりに笑った。シーズン途中で移籍加入しながら、勝負どころでの頼もしい働きぶりに、ジェームズは「大きかった」とたたえた。

 勝負の重みが増すPOで輝きを放ち、レーカーズを勝利に導いた。POで自己最多となる29得点は、この日チーム最多を記録した。コービー・ブライアントやマジック・ジョンソンをはじめ、NBA史上に残る多くの名選手がプレーしたレーカーズの歴史に名を刻む活躍。POでベンチから出場した選手としては、1988年のマイカル・トンプソンに並ぶチーム史上最多得点だった。

 八村にとって、プレーオフはウィザーズ時代の2021年以来2度目。そのときはセブンティシクサーズ(76ers)を相手に1勝4敗で1回戦敗退を喫している。八面六臂(ろっぴ)の大活躍を見せたが、あくまで1試合を終えただけ。ゲームを支配したヒーローは「今晩は勝利を喜び、明日からは気持ちを切り替えて第2戦に集中する」と、貪欲にさらなる活躍を期した。

 ◆八村 塁(はちむら・るい)1998年2月8日、富山市出身。西アフリカのベナン出身の父と日本人の母の間に生まれた。富山・奥田中時代にバスケットボールを始め、宮城・明成高時代にU-17世界選手権で得点王。強豪の米ゴンザガ大へ進学し、3年目の2018~19年シーズンに全米大学選手権8強に導くと、6月のドラフトでは1巡目9位でウィザーズに指名された。東京五輪にも出場。今年1月、トレードでNBA通算17度優勝のレーカーズへ移籍した。ポジションはフォワード。203センチ、104キロ。

 ◆今季のNBAプレーオフ 15日(日本時間16日)に始まり、東西各カンファレンスの8チームが7回戦制(4戦先勝方式)で頂点を争う。東はバックス、セルティックスが2強で、バックスはエースのG・アデトクンボの攻撃力が高く、昨季に東を制したセルティックスは攻守でバランスが取れている。西はヨキッチを軸とした攻撃が洗練されているナゲッツが優位。

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