中村泰輝 師匠・二所ノ関親方から博多帯プレゼント しこ名は“相撲の神様”大の里

 大相撲夏場所(5月14日初日、両国国技館)の新弟子検査が18日、東京・両国国技館で行われ、2年連続アマチュア横綱で幕下10枚目格付け出し資格を持つ中村泰輝(だいき、22)=二所ノ関=ら受検した5人全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準をパスした。内臓検査の結果を待って、初日に合格者が発表される。中村は師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から現役時代に使用していた博多帯を贈られて感激。「一日も早く関取に上がりたい」と意気込んだ。大の里のしこ名でデビューする。

 力士人生の門出を飾る姿に、かかる大きな期待が表れた。192センチ、177キロの中村は「今日が一番緊張しましたし、本当に初めて着物も着て、いよいよだなという気持ち」と晴れやかな表情。新弟子ながら幕下以上しか締められない博多帯、三段目以上しか履けない雪駄(せった)姿で国技館を訪れ「気を引き締めて、部屋から来るにあたっても変な緊張をしました」と初々しく話した。

 博多帯と雪駄は師匠・二所ノ関親方からのプレゼント。しかも、帯は現役時代に使用していたものを譲り受けた。縫い込まれた「稀勢の里」のしこ名を見つめ「荷が重いけど、頑張りたい。ありがたいです」と感謝。師匠からは「今日からプロになる。受け答えもしっかりしなさい」と声を掛けられ、新弟子検査に臨んだ。

 意識はすでに高い。茨城県阿見町にある二所ノ関部屋への入門を決めたのも、都心の誘惑から離れて相撲に集中できる環境を求めたから。趣味を問われると「ないっすね」と苦笑した。外出好きだったという学生時代から一転「今は職業がお相撲さん。休んでいるヒマはないと思う」と自分を律している。

 「大の里」のしこ名も決定済み。十両落合に続く所要1場所での関取昇進も期待されるが、中村は「考えてないです」と首を振り、「僕はまだ入ったばかり。(落合は)大相撲では先輩。すごい人だと思う」と謙虚に語った。デビューまで1カ月足らず。将来を嘱望される大器は「すごい人がいっぱいいる。早く僕も白いまわしを着けたり、化粧まわしを着けたりして、上に上がりたい」と胸を躍らせた。

 ◆幕下付け出し アマチュア相撲の実績に応じて幕下10枚目格、または15枚目格に付け出される制度。以前は最下位格(60枚目)から一律に付け出されていたが、2001年1月から現行制度に改められた。今年の初場所に15枚目格でデビューした落合(宮城野)が7戦全勝で優勝し、初めて所要1場所で十両に昇進した。また、10枚目格の遠藤、御嶽海、15枚目格の逸ノ城が所要2場所で十両に昇進している。

 ◆大ノ里とは 昭和初期に小柄な体格で大関に7年在位、“相撲の神様”と呼ばれた大ノ里は1892年青森県生まれで本名は天内萬助(あまない・まんすけ)。1912年に初土俵を踏み、164センチという小兵ながら、小細工はせずハズ押しなど力強い取り口で1925年に大関に昇進した。相撲界の改革を訴えた1932年1月に春秋園事件で、関脇・天龍らとともに協会を脱退。3年後に現役を引退、1938年1月に45歳で死去した。

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