東レが最終セット競り負けV逸 逆境でエース石川に託したセッター関「あそこは真佑しかいない。後悔はない」 Vリーグ女子

 声を出してチームを鼓舞する石川
 第4セット、スパイクを阻まれる東レ・石川
 NEC(手前)に敗れて優勝を逃し、肩を落とす東レの選手たち
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 「バレーボール・Vリーグ女子・プレーオフ決勝」(22日、国立代々木競技場)

 東レがNECに2-3(23-25、14-25、25-20、25-22、14-16)で敗れ、11季ぶり5度目の優勝を逃した。2セットを先取された崖っぷちの状態から意地を見せたが、あと1歩届かなかった。18-19年、20-21年に引き続き決勝で敗戦。関菜々巳(23)は「何度も何度もこの舞台に来てあと1点…。ファン、家族、支えてくれている人のために勝ちたかった」と涙を流して悔しがった。

 最終セットは14-12と先にマッチポイントをかけた。あと1点。タイムアウトをはさみ同点に追い付かれた場面から、「エースに託すしかない」と関は積極的に石川真佑(22)にトスを上げた。左サイドから強打を放つもブロックされて14-15。それでも関は石川にあげた。しかし同じシーンが繰り返されて14-16。ボールはネットと石川の間に吸い込まれていった。

 昨年12月の皇后杯決勝と同じ顔合わせ。その時は勝負が決まる最後の1球で、関はエースにトスを上げなかった。結果はNECに敗れて準V。その時から石川は関に「あそこで(トスを)上げてもらえるエースになりたい」と話していたという。関も「皇后杯の後悔は本当に大きかった」とお互いに悔いの残る試合だった。

 この日、関は「(石川)真佑で決まらなかったらそれでいい」と強い覚悟を持って臨んだ。石川は「託してもらったのに決めきれなかった」と悔やんだが、関は「あそこは真佑しかいなかった。私の中で後悔はない」ときっぱり。越谷章監督も「石川に託してよかったと思う」と評価した。

 今後はネーションズリーグ(5月、名古屋)をはじめ、戦いの舞台は代表戦へと移っていく。石川は「ブロック2枚の中で弱さが出た。どうやってそれを変えていけるか突き詰めていかないといけない」と最後は必死に前を向いた。

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