体操・橋本大輝 逆転で内村以来3連覇 憧れ“キングポーズ”オマージュも「(3では)少ねえな」

 「体操・全日本個人総合選手権」(23日、東京体育館)

 世界選手権(9~10月、ベルギー)の代表選考を兼ねて男子決勝が行われ、東京五輪2冠の橋本大輝(21)=順大=が、予選との合計171・497点で、2008年から10連覇した内村航平以来の3連覇を果たした。決勝の6種目合計は1位で予選2位から逆転した。予選3位で東京五輪代表の萱和磨(セントラルスポーツ)が2位。3位は杉本海誉斗(かいと)=相好ク。代表は5枠で、昨秋の世界選手権を制している橋本は既に決定している。

 憧れの“キング”をオマージュしたポーズは、ばっちり決まった。橋本は3連覇を誇るように、指で「1、2、3…」と数え、ガッツポーズ。予選2位から逆転し、「本当にホッとしている」と胸をなで下ろした。

 最初のゆかで首位に立つと、そこからは“橋本劇場”だった。続くあん馬は途中で落ちかけたが耐え、手を横にして“セーフポーズ”。この時点で首位は盤石で、最終種目の鉄棒で大技「リューキン」を回避し、安定の演技で締めた。

 不安要素にも負けなかった。今年1月に腰を疲労骨折。19日の公式練習では右かかとを痛めていた。疲労骨折直後に教育実習で訪れた母校の市船橋高で、恩師の神田真司氏に練習を見てもらった。腰への負担が軽いあん馬を強化し「けがで高難度な技ができない中で見直せた」と、驚異の粘りにつなげた。

 優勝後の決めポーズは、“キング”こと内村航平が2015年に世界選手権を6連覇した時をまねたもの。「試合前からイメトレして、パクりました」と、いたずらに笑った21歳はすぐに顔を引き締めた。

 「まあ3ですからね。少ねえなと思いますけど。6にいけたら」。

 今季最大の目標は世界選手権での個人総合2連覇と団体金メダル獲得。また一つ成長した日本エースは「焦らずに準備したい」と、勝負の舞台を見据えた。

 ◆橋本大輝(はしもと・だいき)2001年8月7日、千葉県成田市出身。千葉・市船橋高3年の19年世界選手権に初出場し、団体総合で銅メダル。21年は全日本選手権、NHK杯で初優勝。19歳で迎えた東京五輪は個人総合で史上最年少王者に輝き、種目別鉄棒と合わせて2冠を達成した。22年世界選手権では個人総合の金を含む、4つのメダルを獲得した。デイリースポーツ制定「2021年度ホワイトベア・スポーツ賞」受賞。167センチ、58キロ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス