柔道元世界銀の七戸龍 第一線退くことを表明「自分の中で区切り」最後の全日本選手権は反則負けで苦笑い「後味悪い」
「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)
体重無差別で争われた。14、15年世界選手権男子100キロ超級銀メダルの七戸龍(34)=九州電力=は、初戦の2回戦で小川雄勢(パーク24)に反則負けし敗退。今大会では最多12度目の出場となったが、「全日本(出場)は今回が最後」と語り、6月の全日本実業団体対抗戦(四日市市)を最後に第一線を退くことを表明した。
七戸は沖縄県出身で、最重量級ながらスピード感あふれる攻撃的な柔道で台頭。14、15年世界選手権では決勝で“絶対王者”テディ・リネール(フランス)に惜敗したものの、日本重量級復活を目指す旗頭として活躍したが、原沢久喜との代表争いであと一歩届かず16年リオデジャネイロ五輪への出場は叶わなかった。
キャリア最後の個人戦となった今大会は、持ち味を出すことができないまま指導3つによる反則負けとなり、「いいところを持たせてもらえず、うまくルールを利用された。追い込んだ練習をしてきたが、この結果は残念。後味は悪い」と苦笑い。それでも日本武道館の晴れ舞台で、開会式では選手戦瀬にも務め、家族や恩師、観客の前で最後の勇姿を焼き付け「武道館で(キャリアを)締めくくりたいと思っていた」と感慨を込めた。
「今年で35歳になるので“引退”は頭にある」と話し、「(ちょっとした試合には)フラッと出るかもしれないが、自分の中では区切り」と第一線を退くことを明かした。ただ、今後も練習を続けながら後進を育成する方針を示し「トレーニングしながら、柔道を楽しみながらやっていきたい。(若手と)一緒に練習して、『試合に出てないけど、あの人強いな』と思われる存在になりたい」と笑った。