石川佳純が引退「やり切ったという思いが強い」 五輪3大会連続メダルの日本卓球界の顔が電撃発表

 現役引退を表明した石川佳純。東京五輪でも躍動した=2021年8月
 現役引退を表明した石川佳純。東京五輪でも躍動した=21年7月
 2016年8月、リオデジャネイロ五輪の卓球女子団体で銅メダルを獲得した(左から)福原愛、石川佳純、伊藤美誠
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 卓球女子で五輪3大会連続団体メダルの石川佳純(30)=全農=が1日、自身のインスタグラムを更新し、現役引退を電撃発表した。4月の世界ツアー、チャンピオンズ・マカオ大会が最終試合となり、「やり切ったという思いが強い」と表明。幼少期から“愛ちゃん2世”として親しまれ、長年エースとして、日本卓球界の顔として輝きを放ってきたスターが、23年間の現役生活にピリオドを打つ。18日には記者会見を開き、自身の言葉で引退を報告する。

 ついに、この時がやってきた。明るい笑顔と勝負強さで日本、そして世界で愛された石川が、30歳でラケットを置く決意を固めた。「今年に入ってから、大会ごとに『この試合が最後になるかもしれない』と思いながら臨み、今、自分の中ではやり切ったという思いが強く、引退を決意した次第です」。23年間全力で駆け抜けてきたサウスポーが、競技生活に区切りをつける。

 卓球選手だった両親の影響で小学1年から卓球を始めた。トップ選手を目指すには遅いスタートだったが、練習していないプレーも見よう見まねでできてしまう器用さを発揮し、わずか半年で全国大会の64強入り。それを契機に、両親も長期ローンを組んで練習場付きの自宅を新築するなどサポートした。小学6年時には全日本シニアの部で勝利を挙げるなど「愛ちゃん2世」として親しまれた。

 14歳で日本代表入りすると、長年エースとして活躍した。16歳で8強入りした09年世界選手権横浜大会2回戦で、世界ランク10位の帖雅娜(香港)に0-3から大逆転したのは伝説となっている。全日本選手権では当時最年少優勝となる17歳で初制覇すると、計5度の日本一は歴代3位タイ。五輪は12年ロンドン、16年リオデジャネイロ、21年東京と3大会連続で団体メダル獲得に貢献。また、17年には混合ダブルスで吉村真晴と組み、日本勢48年ぶりの世界一に輝いた。「長い間、世界のトップレベルで戦ったこと、たくさんの夢をかなえられたことを幸せに思います」と感慨を込めた。

 近年は伊藤美誠、平野美宇ら若手の台頭に押されたが、第一線で存在感を示し続けた。集大成の東京五輪出場を果たした後、24年パリ五輪挑戦は一貫して明言してこなかったが、「やり切ったと思えるところまでやりたい」とコートに立ち続けた。30歳目前となった今年の全日本選手権でも4強入りし、最新の世界ランクも11位。先月19日のマカオ大会2回戦で東京五輪金メダルの陳夢(中国)に敗れたのがラストマッチとなったが、最後まで世界のトップ選手として完走した。

 「これからまた新しいスタートとなりますが、卓球を通じて学んだチャレンジ精神を忘れずに、いろいろなことに挑戦していきたいと思います」。エースとして残してきた数々の偉業はもちろん、不世出の卓球ヒロインとして競技を世に広めた功績は計り知れない。

 ◆石川佳純(いしかわ・かすみ)1993年2月23日、山口市出身。両親の影響で7歳から卓球を始めた。五輪は12年ロンドン大会で団体銀メダルを獲得し、シングルス4位。16年リオデジャネイロ大会は団体銅メダル。東京五輪では日本選手団の副主将を務め、団体では3大会連続のメダルとなる銀メダルを獲得した。家族は両親と妹。左利き。157センチ。

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