卓球女子で五輪３大会出場の石川佳純（３０）＝全農＝が１日、自身のインスタグラムを更新し、現役引退を電撃発表した。

　長年日本女子卓球界をけん引してきた石川の引退は、卓球王国の中国でも大きな反響を呼んだ。石川は中国版ツイッター「微博」での引退報告で「私は中学時代からあらゆる時期で中国人のコーチとトレーニングしてきました。私を助けてくれる多くのコーチに出会い、色んなことを吸収しました。文化や中国語も。中国語を知っているからこそ、中国の友人やファンとコミュニケーションを取ることができるのでうれしいです。中国でプレーするたびに、皆さんの熱意を感じることができます。もたらしてくれる強さと暖かさに感謝しています」と、中国への感謝を綴った。

　中国語が堪能で、海外の試合では、中国メディアには中国語で取材に応じ、時に日本選手の中国語の通訳もこなしていた石川は、中国での人気も高く、現地メディアの「新浪体育」は「石川佳純が中国で愛された理由」と題した記事を掲載し、「引退演説（メッセージ）をみれば、すぐに理解できる」と中国への思いをつづった石川のメッセージに感銘した様子。さらに「石川佳純の笑顔がもたらす温かさ、そしてキャラクター。汗が他の選手の迷惑にならないように毎試合後テーブルを拭いて離れ、地面に落ちたボールをいつも片付けていた」、「試合が終わればすぐに中国のコーチングスタッフにも挨拶し、心からおめでとうを伝えてくれる。謙虚で優しい石川佳純がみんな好きだった」と、つづられた。そのほかの記事でも「石川佳純は中国と切ってもきれない絆がある」、「今後の活躍を祈ってます」などのエールが綴られた記事が掲載されていた。

　石川は引退発表後の２日、中国版ツイッター「微博」を更新。「心温まるメッセージありがとうございます」と、ねぎらいの声への感謝をつづった上で、選手として最後の試合となったＷＴＴチャンピオンズ・マカオ大会で最後の対戦相手となった陳夢（中国）との２ショット写真を掲載。「子どもの時から、大人になっても、私たちは良き友人でした。最後の試合で彼女と対戦できて、とても幸せでした」と、つづった。この投稿の反響も大きく「あなたの未来に幸あれ」、「未来もきっと花道を歩くのでしょう」と、中国のファンからのメッセージが殺到している。