阿部一二三が丸山城志郎破り4度目世界一 11度目のライバル対決制しパリ五輪代表決定の可能性も 10分超激闘

 阿部一二三(左)と丸山城志郎
 男子66キロ級決勝 対戦する丸山城志郎(左)と阿部一二三=ドーハ(共同)
2枚

 「柔道・世界選手権」(8日、ドーハ)

 男子66キロ級決勝が行われ、東京五輪代表の阿部一二三(25)=パーク24=が、19、21年世界王者の丸山城志郎(29)=ミキハウス=を延長戦の末、10分14秒、相手の指導3つの反則で撃破し、2年連続4度目の世界一に輝いた。11度目の直接対決はこれで阿部の5連勝となり、通算7勝4敗。パリ五輪前年の大一番を制し、この結果をもって2大会連続の五輪代表に決まる可能性も高まった。

 世界最高峰の激闘は、延長戦に入ってから加速。丸山が内股を繰り出せば、阿部も担ぎ技、足技を出していったが、両者ポイントは譲らず。会場のボルテージも最高潮に達したが、10分すぎに阿部が足技を出したところで審判が丸山に3つ目の指導を宣告。あっけない反則決着に会場ではブーイングも起きたが、阿部は手をたたいて喜びを噛みしめ、畳を降りた後は女子52キロ級を制した妹・詩(22)=パーク24=と抱き合った。

 阿部は2回戦から登場し、イタリア選手に得意の袖釣り込み腰で一本勝ち。3回戦も袖釣り込み腰でスペイン選手を退けると、準々決勝は東京五輪銀メダルのマルグベラシビリ(ジョージア)を合わせ技一本で破り、準決勝はキア(フランス)からわずか33秒、袖釣り込み腰で一本勝ちを収めた。

 一方の丸山も、初戦から技の切れ味が抜群。2回戦はスロバキア選手にともえ投げで一本勝ちすると、3回戦はコロンビア選手に足技、準々決勝はアン・バウル(韓国)に引き込み返しで一本勝ちし、準決勝は21年大会銅メダルのヨンドンペレンレイ(モンゴル)を延長優勢勝ちで退けた。

 両雄は史上初の一騎打ちとなった東京五輪代表決定戦の24分間の死闘を経て、代表権を勝ち取った阿部が東京五輪で金メダルを獲得。通算10度目の対決となった昨年の世界選手権決勝は、阿部が本戦時間内に小外掛けで勝利し、パリ五輪代表争いでリードした。一方の丸山も、崖っぷちで臨んだ12月のグランドスラム(GS)東京大会で苦しみながらも優勝し、世界切符をもぎ取った。

 全日本柔道連盟(全柔連)は最速で今年6月にもパリ五輪代表を決められる規定を設けており、今大会の結果でライバル関係に決着がつく可能性がある。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス