丸山城志郎は落胆 阿部に敗れパリ五輪絶望的「認めるしかない」10分超死闘も指導決着で呆然「これからだと…」

 「柔道・世界選手権」(8日、ドーハ)

 男子66キロ級決勝が行われ、19、21年世界王者の丸山城志郎(29)=ミキハウス=は、東京五輪代表の阿部一二三(25)=パーク24=に延長戦の末10分14秒、指導3つで反則負けした。11度目の直接対決はこれで直近5連敗となり、通算4勝7敗。昨年10月の世界選手権に続いて、五輪前年の大一番を落とし、パリ五輪代表は限りなく厳しい状況となった。

 世界王者同士のバチバチの激闘は本戦時間内で決着がつかず、延長戦に入ってからさらに加速。丸山が内股や捨て身技を繰り出せば、阿部も遠い間合いから深く入る袖釣り込み腰や足技を出したが、両者意地でもポイントは譲らず。会場のボルテージも最高潮に達する中、10分すぎに阿部が足技を出したところで審判が丸山に3つ目の指導を宣告。あっけない反則決着にブーイングも起きたが、阿部は手をたたいて喜びを噛みしめ、丸山は呆然と立ち尽くした。

 丸山は負ければパリ五輪出場が絶望的となる一戦に全てを懸けたが、またも宿敵の牙城を崩せなかった。表彰式後のインタビューでは「本当に悔しいが、僕の意地や執念、今までの思いも全部この大会にぶつけた。優勝することしか考えてなかったが、負けを認めるしかない」と声を絞り出した。

 今回も一進一退の死闘を演じたが、決定打を出せないまま、最後はあっけない反則決着となった。「僕的にはこれから(が勝負)かなと思っていた。あの展開から俺の展開が来るなと思って試合していたが、(その前に)あそこで指導3がきて。どうしようもないですね。負けは負けなので。ああだこうだいうつもりはない」と潔く認めた。

 柔道人生の集大成と位置づけて臨んだ大一番を終えた29歳は「これから先、すぐに目標は立てられないが、これから何か燃えるものがあればまた頑張りたいし、(すぐには)わからない。また戦う姿を見せられたらいいが、これからも柔道家丸山城志郎の応援をよろしくお願いします」と語った。

 両雄は史上初の一騎打ちとなった東京五輪代表決定戦の24分間の死闘を経て、代表権を勝ち取った阿部が東京五輪で金メダルを獲得。昨年10月の世界選手権決勝は阿部が小外掛けで勝利し、パリ五輪代表争いでリードした。一方の丸山も12月のグランドスラム(GS)東京大会で苦しみながらも優勝し、崖っぷちから世界切符をもぎ取っていた。

 全日本柔道連盟(全柔連)は最速で今年6月にもパリ五輪代表を決められる規定を設けており、今大会の結果で代表争いに決着がつく可能性もある。

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