大相撲の幕内錦富士（２６）＝伊勢ケ浜＝が大安の１０日、東京・江東区の富岡八幡宮で結婚式を行った。式には伊勢ケ浜親方（元横綱旭富士）や親族らが出席。婚姻届は１１日に提出する予定。同場所は師匠、横綱照ノ富士（伊勢ケ浜）も式を挙げている。

　お相手は石川県小松市出身の藤添静香さん（２４）。周囲からは「女優の土屋太鳳さん似」という声が多いという。２１年１０月頃に行われた横綱照ノ富士の関係者が集まる会で、同じ席に座ったことが出会いのきっかけ。話す中で錦富士は「見た目はもちろん中身も一目ぼれというか、この人絶対いい人だな」と感じたといい、「気になって自分から連絡先を聞いた」と猛アプローチをかけた。その２カ月後のクリスマスの日に交際をスタートさせ、その約１年後の２３年１月にプロポーズした。

　結婚の決め手を問われた静香夫人は「何事にも不器用なぐらいまっすぐな方。これ以上の方は出てこないだろうなと思いました」とにっこり。それを隣で聞いていた錦富士は思わず照れ笑いした。１カ月ほど前から部屋を出て、共同生活を始めているという。

　相撲の知識はなかった静香夫人だが、交際をスタートさせてから今ではＳＮＳに投稿された稽古動画を見たり、『錦富士』でエゴサーチするほど。今後はアスリートフードマイスターの資格取得にも意欲を示し「食事の面や、どうしても負けて落ち込んでいるときもあると思うので、そばで支えて上げられる存在になれたら」とほほえんだ。

　また妊娠４カ月を迎えていることも告白。錦富士は「横綱、宝富士関にお話を聞くと、家庭があるのはいいことだと。それと同時に一人の命を育んでいくので大変ではあるんですけど、『いつでも相談してくれ』と言っていただいている。楽しみ（な気持ち）と相撲と両立しなきゃいけないと言う思いと、先輩達の心強さがある」と話した。

　守るべき存在が２人増え、自己最高位の西前頭３枚目で迎える夏場所（１４日初日、両国国技館）では三役昇進を見据える。新入幕から５場所中４場所で勝ち越し、ここまで着実に実力を高めてきた。「当然上がる気持ちで稽古、トレーニング、治療をいろいろ準備してきた。１日１番自分の相撲を取って結果として三役に昇進できれば」と力を込めた。