丸山城志郎「五輪への道ない」阿部一二三に敗れパリ絶望的も挑戦には誇り 進退は白紙「中途半端には続けない」
柔道男子66キロ級で世界選手権(ドーハ)準優勝の丸山城志郎(29)=ミキハウス=が10日、カタールから帰国した成田空港で取材に応じた。決勝でライバル阿部一二三(25)=パーク24=との直接対決に敗れ、パリ五輪代表は絶望的。「(この負けで)五輪への道はない。それは認めています」と声を絞り出し、今後の進退については「また頑張りますとは簡単には言えないが、頑張れる何かが見つけられたらとは思っている」と白紙を強調した。
五輪代表争いで崖っぷちの立場だった丸山は、11度目の直接対決となった阿部戦に全てを懸けて戦ったものの、10分超の激闘の末、3つ目の指導を宣告されて反則負け。夢破れる結末となったが「挑戦する姿を皆さんに見てもらえただけでも幸せ」と悔しさを押し殺し、「(勝負の世界は)勝ち続けないと先がないが、負けることで精神的に強くなれた部分はある。それを積み重ねて僕自身をつくり上げられたことは誇りに思っていい」と、自身の柔道家人生に胸を張った。
釣り手と引き手を二つ持ち、切れ味鋭く美しい内股を放つ柔道は芸術的で世界にもファンが多い。試合後、日本男子の鈴木桂治監督からは「日本に限らず、世界中でお前の柔道を見たい人がたくさんいると思う」とねぎらわれたというが、「まだ続けるとも辞めるとも決めてないので『今後について考えます』とだけ伝えた」と明かした。夢舞台を目指して死力を尽くしてきただけに「中途半端な気持ちで柔道を続けるつもりはない」と語った。