世界柔道まさかの金1個…男子の鈴木桂治監督が危機感も、弱気発言は“撤回”「バカだった」

 柔道日本男子代表の鈴木桂治監督(42)は16日、世界選手権の全日程を終えてドーハから成田空港に帰国した。男子7階級で優勝は66キロ級の阿部一二三(25)=パーク24=のみで、銀メダル1個、銅メダル3個という厳しい結果に終わった。「3位決定戦など、大事な試合で勝ちきれないことが多かった。これは監督として詰めの甘さ。優勝への道筋は見えているが、(選手を)勝ち切らせることができず、足りないところがあった」と反省点を口にした。

 特に急務なのが重量級の強化だ。100キロ級代表の飯田健太郎(旭化成)は2回戦敗退で、3大会連続で早期に敗れてメダルを逃す結果に終わった。鈴木監督は「非常に厳しい。1年2カ月後(パリ五輪)にどういう結果が欲しいのか、自分たちもしっかり頭にたたき込んで過ごしていきたい」と危機感をあらわにした。復活を目指す東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)と競わせながら強化する考えを示し「ある程度(代表候補を)絞っていく時期だが、決して急がずに。(代表権を)競って競ってという時間が必要な階級なので。きっちりと強化と選考を両立していけたら」と語った。

 また、100キロ超級は昨年銀メダルの斉藤立(国士舘大)が7位に終わったものの、五輪2連覇のテディ・リネール(フランス)と初対戦し、7分超の力勝負を演じた。「超級はある程度(候補を)絞り込んで課題に取り組んでいける」と強調した。

 成績が振るわず、現地では「このまま自分が監督でいいのか」と頭を抱えたというが、「あの時はネガティブな時間だった」と反省しきり。「監督が弱気な考えじゃ絶対にチームは勝てない。バカだなとあの時の自分に思っている。無責任だった」と弱気発言を“撤回”した。

 当時は会場で世界の重量級の戦いを目の当たりにし「リネールとタソエフの決勝はやっぱりすごかった。派手さはなかったかもしれないが、世界の重量級の戦いで(斉藤)立と(影浦)心じゃまだ勝てねーかという思いになってしまった。100キロ級もアダミヤンという(ロシア選手のため)試合に出てなかった選手が優勝して、われわれが積み重ねてきたことを(一瞬で)ズカーンとつぶされた。どうやって勝とうかなという思いだった」と振り返った。

 また、66キロ級を制した阿部一二三(パーク24)については「推薦しない理由はない。(今大会)1位と2位で差がついた。推薦条件を満たしている」と明かし、6月下旬にも開かれる見通しの強化委員会で代表に内定することが決定的となった。

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