世界柔道決勝で誤審 王者リネールが9度目Vも相手の決勝ポイント見過ごす IJF認める「深くおわび」
国際柔道連盟(IJF)は17日、今月13日に開催された世界選手権(ドーハ)の男子100キロ超級決勝で誤審があったことを発表した。五輪2連覇王者のテディ・リネール(34)=フランス=が、中立選手として出場したロシアのイナル・タソエフ(AIN)を破って6年ぶり9度目の世界一に輝いたが、ゴールデンスコア方式の延長戦でタソエフの返し技にポイントを与えることが可能だったとした。勝敗は覆らない。
問題の試合は延長戦の死闘となったが、7分過ぎにリネールが払い腰を掛けた際、タソエフが相手の背後に回り込みながらの返し技で転がしたように見えた。ただ、現行ルールでは無効となる“めくり”と判断したためか、審判はノーポイント裁定。そのまま継続となり、直後の7分41秒、リネールが浮技で「技あり」をもぎ取り、紙一重の戦いに決着をつけた。
IJFは「競技終了後、現行の審判規則と柔道専門家の意見を考慮した結果、タソエフ選手の返し技にポイントを与えることが可能だったことが判明した」と誤審を認め、「IJF審判委員会は今回の裁定を深くおわびするとともに、今後このようなケースでは現行規則に従ってジャッジする」と再発防止を誓った。