「体操・ＮＨＫ杯」（２１日、東京体育館）

　世界選手権（９～１０月、ベルギー）の代表選考を兼ねて男子が行われ、東京五輪２冠の橋本大輝（２１）＝順大＝が４月の全日本個人総合選手権との合計２５５・５９５点で、０９年大会から１０連覇した内村航平さん以来の３連覇を果たした。２位は萱和磨（２６）＝セントラルスポーツ＝で合計２５３・２９６点、３位は三輪哲平（セントラルスポーツ）で合計２５２・９２８点だった。世界選手権代表には、橋本が既に内定しており、今大会で３位以内に入った萱と三輪が内定した。

　橋本はあん馬で落下するミスなどはあったが、首位を守った。最終種目の鉄棒ではＦ難度の離れ技「リューキン」で落下。演技再開後は最後の着地をぴたりと止めたが、顔をしかめて足を気にするしぐさを見せた。

　場内インタビューでは「全日本選手権の疲れがあったので、疲労感は出てきたけど何とかけがなく終えれたことはすごく良かった」とうなずいた。ただ、「難度を下げて試合を行っていたので、（出来栄えを示す）Ｅスコアが取れたら良かったと思うんですけど、あまり内容もよくなかった。収穫は反省点」と苦笑い。今秋の世界選手権へ「もっと突き詰めていきたいし、技も難しくして、今年の世界選手権を優勝してパリオリンピックにつなげていきたい」と意気込んだ。

　今年１月に疲労骨折したが、４月の全日本個人総合選手権では予選２位から逆転優勝。現在は「痛みはだいぶなくなってきた」と回復傾向にある。１９日の公式練習後には「ミスなく６種目通しきって、３連覇できるように頑張りたい」と話していた。

　世界選手権の代表は５人。残る２人は６月の全日本種目別選手権を経て決定する。