橋本大輝3連覇 満身創痍「上半身が全てつっていた」最後の鉄棒落下も大崩れ防ぐ
「体操・NHK杯」(21日、東京体育館)
世界選手権(9~10月、ベルギー)の代表選考会を兼ねて個人総合の男子が行われ、東京五輪2冠の橋本大輝(21)=順大=が4月の全日本個人総合選手権との合計255・595点で、2009年大会から10連覇した内村航平以来の3連覇を果たした。2位は全日本2位の萱和磨、3位は全日本7位の三輪哲平(ともにセントラルスポーツ)。世界選手権代表には、昨年の世界王者の橋本が既に決定しており、今大会で3位以内に入った萱と三輪が新たに決まった。
最後の鉄棒。3連覇が目前だった橋本の体は「上半身が全てつっていた」と実は満身創痍(そうい)だった。今大会から復活させたF難度の離れ技「リューキン」で落下。演技再開後は最後の着地をピタリと止めたが、顔をしかめて腕を気にするそぶりを見せた。
ただ、非常事態にも対応するのが五輪王者だ。鉄棒の離れ技では普段は全ての指を使って鉄棒をつかんでいたが、少しでも柔軟に動けるように親指をのぞいた4本の指でつかむことで大崩れを防いだ。前半のあん馬の落下も引きずらなかっただけに、冨田洋之コーチは「今の自分を見定めて試合を運べる。その辺がしっかり成長している」と評価する。
今年1月に腰を疲労骨折したが、4月の全日本個人総合選手権では予選2位から逆転優勝してエースの力を示した。ただ、十分な練習が積めないまま試合に出たことで疲労が抜けず、それが体の不具合につながった。暑さで「ちょっと脱水気味だった」とも明かし、「そういう対策もしないといけない」と振り返った。
内村以来の3連覇。ただ、今回は「内容を見つめ直す3連覇」で「収穫は反省点」と全く満足できていない。秋には世界選手権が控える。「見ている人が安心できる体操が今後の目標」と、安定した演技で世界の頂点に立つ。
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