堀米雄斗かっこよすぎる逆転Vで観客大興奮 “非五輪文脈”新設大会で自ら魅力体現「スケボーシーン盛り上がる」
「スケートボード・UPRISING TOKYO」(28日、有明アリーナ)
スケートボードは五輪だけじゃない。新設イベントの最終日で男子決勝が行われ、東京五輪金メダリストの堀米雄斗(24)=MIXI=が、5位で臨んだ最終3本目で87・94点をマークし、劇的な逆転優勝を飾った。自身が戦略的パートナーシップ契約を結ぶ楽天が主催し、カルチャー面も含めたスケボーの魅力を発信する大会コンセプトを自ら体を張って体現。「ホッとした。自分の滑りができてうれしい。日本で多くの観客の方が見てくれて、こうやって日本のスケートボードシーンも盛り上がっていくのがすごく楽しみ」と声を弾ませた。
地元江東区が生んだ千両役者のかっこよすぎる逆転劇に、会場は一体となって興奮のるつぼと化した。2本目まではミスが響いて5位だったが、ラストでコース中央の巨大な縁石を使った大技「スイッチ180Kグラインド」をメイクし、力強くガッツポーズ。期待を裏切らないパフォーマンスで1位に輝き、観客席からは「ほりごめゆうとー!」と何度も絶叫する子供の声が響くなど、米国から帰国したカリスマが空間を支配した。
スケートボードが初採用された東京五輪で初代王者に輝き、一躍時の人となった。一方で、競技面ばかりが注目されることにはジレンマもあり、「スケートボードは大会だけじゃなくストリートカルチャーもメイン。そこを今自分が日本でも(周知に)取り組んでいるし、もっとストリートカルチャーやスケボーの楽しさを伝えていきたい」と想いを込めたのが、今回のイベントの端緒だった。
会場ではライブパフォーマンスやアートなども催され、五輪に関わる大会や通常の国内競技大会とは一線を画すイベントとして開催された。堀米は国際基準のコース設計などでアイデアを出したが、今回のコンテストには“五輪文脈”では交わることのない、ストリートで活躍する海外のプロ選手も出場した。「世界のトッププロスケーターを(国内で)見られる機会はそんなにないが、こうやってみんなと滑れたことがうれしい。また(日本で)会いましょう」。関係者や観客への感謝を込めた。