かど番脱出の貴景勝は「大関としての責任は全うした」横審の山内委員長が見解 来場所期待「今場所の照ノ富士のような」
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が29日、東京・両国国技館で開かれ、山内昌之委員長(東大名誉教授)はかど番で迎えた夏場所を勝ち越した大関貴景勝の評価を述べた。
「まず忘れてはならないのは、先場所まで横綱の最短距離にいた人物だということ。しかし、ケガ等によって残念ながら、かど番というところに追い込まれました」と初場所で優勝、綱とりに挑んだ春場所で左膝を負傷して途中休場した状況を考慮。「従って、彼が大関として果たす役割は、大関にふさわしくかど番から脱出する、そして大関の地位を維持、確保する、この点は見事に達成したわけなので、私は大関としての責任は全うしたと。大関の地位についての大きさも辱めることはなかったと思います」と見解を示した。
一方で「同じようにケガから戻って来た照ノ富士(14勝1敗)と比べると、いささか星勘定においては見劣りがすることは間違いありません」と8勝7敗に終わった成績を指摘。「来場所はもう少しケガを克服して、成績面においては今場所の照ノ富士のような、あるいはそれに準じるような頑張りをしてほしい。そして下から上がってくる関脇陣に、大関の強さを見せるような意地も発揮してほしい」と奮起を求めた。