ディーン元気 発熱しても連覇達成 「洗剤を吸い込んで喉の粘膜をやられた」

 82メートル65で優勝したディーン元気(撮影・中田匡峻)
 男子やり投げで優勝したディーン元気(中央)は新井(左)と崎山に担がれ笑顔を見せる
2枚

 「陸上・日本選手権」(1日、ヤンマースタジアム長居)

 世界選手権(8月、ブダペスト)の選考会を兼ねて開幕した。男子やり投げでは、12年ロンドン五輪、昨年の世界選手権(オレゴン)代表のディーン元気(31)=ミズノ=が、5投目で82メートル65を投げて2連覇。女子1500メートルは、東京五輪8位入賞で日本記録保持者の田中希実(23)=ニューバランス=は、4分15秒19で1組1着、全体トップで2日の決勝に駒を進めた。

 心技体の充実期をディーンが迎えている。雨予報のこの日、「2、3投目で降るかもしれない」と1投目で80メートルを超える80メートル27を投げてトップに立つと、5投目で82メートル65をマーク。最終6投目でも80メートル52と、3本で大台を超えた。世界選手権(8月、ブダペスト)の参加標準となる85メートル20には届かなかったが、「世界大会でのベースとなる85メートルへ向けて、可能性を感じるものが何投かあった」と磨き上げてきた自身の技術を確信した。

 アクシデントにも動じなかった。2日前に「誤って洗剤を吸い込んだことが原因で喉の粘膜をやられた」と37~38度の発熱に見舞われた。この日も「終始ボーッとしていた。水分不足で4投目で右ふくらはぎがつった」と明かした。目標の85メートルが見えていただけに「自業自得」と悔しさは残る。ただ、それでも崩れなかった精神力は証明した。

 2位には「ライバルでもあり親友」という16年リオデジャネイロ五輪代表の新井涼平(31)が入った。ともに東京五輪代表は逃したが、故障や不振を乗り越えて世界の舞台へ再浮上してきた。若手の台頭が著しい中で「85メートルを投げて(若手に)80メートルは近いと見せるのが僕たちの最後の仕事」とディーン。使命感を胸に、来年のパリ五輪を見据えている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス