順位誤表示で涙の福部真子 気丈に運営思いやる「きっと私に内定あげたかったんですよね」戦友には謝罪と感謝「もしかしたらと」

 レース後、涙を流した福部真子(右)=3日撮影
 福部真子のインスタグラム@mk_028lより
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 開催中の陸上日本選手権(ヤンマースタジアム長居)の3日に行われた女子100メートル障害決勝で、レース後、最初に電光掲示板に表示された順位が誤表示だった問題で、1位表示から4位となった日本記録保持者の福部真子(27)=日本建設工業=が4日、自身のインスタグラムを更新。「運営の方もありがとうございます。きっと私に内定をあげたかったんですよね」と、運営に感謝の言葉をつづり、明るく気丈に振る舞った。

 「10台目降りた瞬間は負けてるのは分かってたけど最後もしかしたら間に合ったのかな?と思って、冷静な判断ができず自己申告で何かサインを出せてたら良かったと反省。選手の皆さんにも喜ぶに喜べない雰囲気を作ってしまってごめんなさい。温かくて優しい言葉たくさんかけてもらって あぁ、ハードラーで良かったって改めて思いました(大好きすぎてライバルやめたくなる)」と、ライバルたちへの感謝もつづった。

 レースは上位4人が大混戦でゴール。すでに参加標準記録を突破しており、3位以内なら世界選手権代表入りが内定していた福部が12秒942で最初に一番上に名前が表示され、アナウンスもされた。福部は「え?寺田さんが前にいたのになんでかな」と思いながら、涙を流した。しかし、その後、表示が一度消え、正式タイム順に表示されると一転、福部は世界切符を逃す4位に。福部は頭を抱えて大号泣し、仲間から慰められていた。優勝は寺田明日香で、福部と寺田は同じメーカーのユニホームを着用していた。

 優勝インタビューで寺田は「ちょっと選手もショック受けちゃうので、しっかり見て(表示を)出してもらえたら。選手も人生が懸かっている」と、苦言を呈した。

 日本陸上連盟は文書で見解を発表。「LIVEリザルト(判定中)における福部真子の1着表示は、写真判定員の着順判定中の記録が大型映像に出力されてしまったため、正式着順、記録とは違うものが一時表示された。しかし、OFFICIALリザルト(確定)では正式な着順に訂正し、リザルトを確定した」と説明。その上で「LIVEリザルト(判定中)はあくまで判定途中のリザルトであり、最終的な正式リザルトはOFFICIALリザルト(確定)として表示している」と、補足した。担当者の対応はなく、文書のみで説明。謝罪などはなかった。

 最終結果は1位寺田明日香 12秒95、2位青木益未 12秒95、3位田中佑美 12秒96、4位福部真子 12秒99だった。

 この日は、両手で頬を引っ張るように笑顔を浮かべる写真や、空が鮮やかな競技場の写真を投稿。最後に「すべにパリに向けて前向いてます!元気だけが取り柄なのでもう元気」と、笑顔とピースの絵文字を交えて記載。「引き続き『12秒5切りとパリのファイナル』への挑戦を応援して貰えると嬉しいです。沢さんの応援ありがとうございました また来年OAリウの標準切って強くなって戻ってきたいな!」との言葉で締めくくった。

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