加藤未唯の全仏失格騒動 プロ選手協会が声明「失格は不当で不公平」 賞金とポイントの回復求める 加藤とはすでにコンタクト

 テニス・全仏オープン(パリ)の女子ダブルス3回戦で、アーディラ・スーチャディ(インドネシア)とのペアで出場した加藤未唯(ザイマックス)がコートに落ちていたボールを返球した際、ボールガールに直撃し、危険行為として失格となった問題で、プロテニス選手協会(PTPA)が6日、声明を発表。加藤組の失格について「不当で不公平なものだった」と、批判。「少なくとも未唯とアーディラの賞金とランキングポイントは回復されるべき」と、求めた。

 問題のシーンは第2セット途中、加藤が自コートに落ちていたボールをバックハンドで相手コート奥の方向に軽く打ち返したところ、ボールガールの頭に直撃。ボールガールが泣き出してしまった。主審は当初警告を出したが、対戦相手が異議。最終的に危険行為とみなされ失格となった。意図的ではなかった点と対戦相手の異議によって判定が変わったことが物議を呼んでいた。

 同協会は「スポーツに関わるすべての個人、特にボールガール、ボールボーイの安全と健康を確保することが私たちの最優先事項である」とした上で「この事件は偶然であり、決して攻撃的な性質のものではなかったことは明らかです。失格などの決定は外部からの影響を受けることなく、公平かつ公正に行わなければなりません。意図的でない行為に対する厳しい罰則はスポーツの誠実さを損ない、選手のキャリアに悪影響を及ぼす」と、指摘した。加藤ともすでにコンタクトを取り、解決に向けたアプローチをとっているという。

 加藤は5日の混合ダブルスで4強入りを決めた後の会見で、失格を不服とし四大大会側に提訴したことを明らかにしていた。

 〈女子ダブルスにおける加藤組の失格〉

 加藤組はマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)組と対戦。第1セットを落として迎えた第2セットの3-1での第5ゲーム。加藤が自コートに落ちていたボールをバックハンドで相手コート奥の方向に軽く打ち返したボールが長くなってしまい、ボールガールの直撃。ボールガールが泣き出してしまった。

 加藤はボールガールに謝罪。主審は当初警告を与えたが、対戦相手が異議を申し立てて、最終的に失格が言い渡された。加藤は涙を流しながら、コートを後にした。

 同場面についてロイター通信は「アレクサンドル・ジュゲ主審は加藤に警告を与え、ネットの反対側でブズコバとソリベストルモが失格を要求した」と報じている。当初は主審は「彼女(加藤)は故意にそうしたわけではない。彼女(ボールガール)は怪我をしたわけではない」としていたが、ソリベストルモは「彼女は泣いているし、血を流してる」と主張し、主審にボールガールと話すようにうながした。主審はボールガールと話した後、失格を言い渡したという。

 加藤は試合後に、騒動について謝罪。失格に伴い、賞金とポイントの没収のペナルティを受けたことを明かしている。

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