加藤未唯が混合複で全仏決勝進出!四大大会で初 失格した女子ダブルス相棒のペアにストレート勝ち 熱い抱擁で健闘たたえ合う
「テニス・全仏オープン」(7日、パリ)
混合ダブルス準決勝が行われ、加藤未唯(ザイマックス)、ティム・プッツ(ドイツ)組が、アルディラ・スーチャディ(インドネシア)、マトウェ・ミドルコープ(オランダ)組と対戦し、7-5、6-0のストレートで勝利し、決勝進出を決めた。加藤は17年全豪オープンの女子ダブルスで穂積絵莉とのペアでベスト4の経験はあるが、決勝進出は四大大会初となった。
加藤とスーチャディは、今大会女子ダブルスでペアを組んで出場。同3回戦で加藤がコートに落ちていたボールを返球した際、ボールガールに直撃し、危険行為として失格となっていた。
第1セットは、加藤組がいきなり第1ゲームをブレークしてスタート。しかし、第4ゲームでブレークを奪い返された。その後は均衡した展開となったが、第11ゲームにブレーク。第12ゲームをきっちりキープして、このセットをもぎとった。
第2セットも勢いそのままに第1ゲーム、第3ゲーム、第5ゲームをブレーク。1ゲームも落とさずに、押し切った。
コートを挟んだ挨拶では、ともに失格騒動を経験しながら、混合ダブルスの準決勝まで進んできたスーチャディと熱い抱擁を交わし、健闘をたたえ合った。スタンドから降り注ぐ拍手に笑顔でお辞儀もして応えた。
〈女子ダブルスにおける加藤組の失格〉加藤組はマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)組と対戦。第1セットを落として迎えた第2セットの3-1での第5ゲーム。加藤が自コートに落ちていたボールをバックハンドで相手コート奥の方向に軽く打ち返したボールが長くなってしまい、ボールガールの直撃。ボールガールが泣き出してしまった。
加藤はボールガールに謝罪。主審は当初警告を与えたが、対戦相手が異議を申し立てて、最終的に失格が言い渡された。加藤は涙を流しながら、コートを後にした。
同場面についてロイター通信は「アレクサンドル・ジュゲ主審は加藤に警告を与え、ネットの反対側でブズコバとソリベストルモが失格を要求した」と報じている。当初は主審は「彼女(加藤)は故意にそうしたわけではない。彼女(ボールガール)は怪我をしたわけではない」としていたが、ソリベストルモは「彼女は泣いているし、血を流してる」と主張し、主審にボールガールと話すようにうながした。主審はボールガールと話した後、失格を言い渡したという。
加藤は試合後に、騒動について謝罪。失格に伴い、賞金とポイントの没収のペナルティを受けたが、危険行為にはあたらないとして、四大大会側に提訴したことを明かした。また、プロテニス選手協会(PTPA)が6日、声明を発表。加藤組の失格について「不当で不公平なものだった」と、批判。「少なくとも未唯とアーディラの賞金とランキングポイントは回復されるべき」と、求めている。