失格騒動経て混合複で四大大会初Vの加藤未唯「ポイントが戻されることを願っています」【涙の優勝スピーチ全文】
「テニス・全仏オープン」(8日、パリ)
混合ダブルス決勝が行われ、加藤未唯(ザイマックス)、ティム・プッツ(ドイツ)組が、マイケル・ヴィーナス(オーストラリア)、ビアンカ・アンドリースク(カナダ)組と対戦。4-6、6-4、マッチタイブレークを10-6で制し、初優勝を飾った。
勝利の瞬間、加藤は両腕を突き上げた。そして優勝スピーチで、加藤は用意してきたメモを読みあげ、涙も浮かべながら、世界的に波紋を広げた女子ダブルスでの失格騒動にも言及した。加藤の優勝スピーチは次の通り。
「英語がそれほど上手ではないので、準備してきました」
(メモを読みながら)「皆さん、ありがとうございます。トーナメントを支えてくださった皆様、スポンサー各社の皆様、準優勝ペアおめでとうございます。ビアンカ、そしてマイケル。素晴らしい試合でした。
パートナーのティムもありがとうございます。一緒にプレーできて、最高でした。いつも一緒にいてくれて、支えてくれてありがとうございます。コーチにも感謝しています。いつも一緒にいてくれて一緒に頑張ってくれて感謝しています。しんどい時も一緒にいてくれました。
ここまではチャレンジングな日々でした。精神的にも大変でした。ここ数日特に大変でした。女子のダブルスから色んなことがありました。関わってくれた選手、コーチ、皆さんに感謝しています。皆さんのポジティブなエネルギーをもらって頑張ることができました。ありがとうございました。
そして、アーディラ、女子ダブルスで組んでくれてありがとう。我々は失格処分になりましたが、全力を尽くしました。また女子ダブルスで頑張りましょう。女子ダブルスでここに来たいですね。
ボールガールが無事であることを願っています。そして女子ダブルスで対戦したペア、サラとマリエにも、また良い試合をしたいと私は願っています。
長くてすいません。
最後になりますが、失格は残念でしたが、今後、良い結果が出てポイントが戻されることを願っています」
◆女子ダブルスにおける加藤組の失格◆
加藤組はマリエ・ブズコバ(チェコ)、サラ・ソリベストルモ(スペイン)組と対戦。第1セットを落として迎えた第2セットの3-1での第5ゲーム。加藤が自コートに落ちていたボールをバックハンドで相手コート奥の方向に軽く打ち返したボールが長くなってしまい、ボールガールに直撃。ボールガールが泣き出してしまった。
加藤はボールガールに謝罪。主審は当初警告を与えたが、対戦相手が異議を申し立てて、最終的に失格が言い渡された。加藤は涙を流しながら、コートを後にした。
同場面についてロイター通信は「アレクサンドル・ジュゲ主審は加藤に警告を与え、ネットの反対側でブズコバとソリベストルモが失格を要求した」と報じている。当初は主審は「彼女(加藤)は故意にそうしたわけではない。彼女(ボールガール)は怪我をしたわけではない」としていたが、ソリベストルモは「彼女は泣いているし、血を流してる」と主張し、主審にボールガールと話すようにうながした。主審はボールガールと話した後、失格を言い渡したという。
加藤は試合後に、騒動について謝罪。失格に伴い、賞金とポイントの没収のペナルティを受けたが、危険行為にはあたらないとして、四大大会側に提訴したことを明かした。また、プロテニス選手協会(PTPA)が6日、声明を発表。加藤組の失格について「不当で不公平なものだった」と、批判。「少なくとも未唯とアーディラの賞金とランキングポイントは回復されるべき」と、求めている。