加藤未唯 混合ダブルスV 女子ダブルス失格騒動乗り越え「前を向いて全力を尽くせた」

 「テニス・全仏オープン」(8日、パリ)

 混合ダブルス決勝で加藤未唯(ザイマックス)ティム・プッツ(ドイツ)組がビアンカ・アンドレースク(カナダ)マイケル・ビーナス(ニュージーランド)組と対戦し、4-6、6-4からのマッチタイブレークを10-6で制し優勝した。加藤は女子ダブルスで自身が打った球がボールガールを直撃し失格になったが、失意を乗り越え、柴原瑛菜(橋本総業)がオランダ選手とのペアで制した前回に続く日本選手の2年連続優勝。賞金12万2千ユーロ(約1830万円)を獲得。

 相手ショットがネットにかかって試合が終わると、加藤は両手を高々と掲げ、プッツと歓喜に浸った。女子ダブルスでは自身が打った球がボールガールを直撃し、失格に。「女子ダブルスの分まで頑張りたい」と臨んだ大一番をものにし、センターコートでは惜しみない拍手を受けた。

 第2セットで立て続けにスマッシュを決めると、観客から英語で「このまま頑張れ、加藤!」とエールも送られた。失意のどん底からはい上がり「精神的に苦しかったが、多くの温かいメッセージが支えになった。ポジティブなパワーを得ることができ、この日を迎えることができた」と解放感に浸った。

 試合後は用意した紙を読み「素晴らしい試合だった。(失格後)他の選手やコーチの方たち、温かいメッセージをくれてありがとう」と話すと、再び拍手喝采を受けた。「失格は残念だったが(没収された)賞金と(世界ランキングの)ポイントを戻してもらえれば」と訴えることも忘れなかった。

 失格した際はショックで「もう帰ろうかなと思っていた」と加藤。プッツに「長い間ハグされた」ことで気持ちが上向いたという。「失格は不運だったが、前を向いて全力を尽くせた」と自身初の四大大会の頂点に胸を張った。

 ◆加藤未唯(かとう・みゆ)1994年11月21日生まれ。京都市出身。13年プロ転向。女子ダブルスでは、16年カトヴィツェ・オープンでツアー初優勝、17年全豪オープンで4強入り。ツアー通算3勝。ザイマックス。156センチ、51キロ。

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