「テニス・全仏オープン」（８日、パリ）

　混合ダブルス決勝が行われ、加藤未唯（ザイマックス）、ティム・プッツ（ドイツ）組が、マイケル・ヴィーナス（オーストラリア）、ビアンカ・アンドリースク（カナダ）組と対戦。４－６、６－４、マッチタイブレークを１０－６で制し、初優勝を飾った。

　勝利の瞬間、加藤は両腕を突き上げた。女子ダブルスでの涙の失格から４日後に迎えた戴冠劇。優勝スピーチで、加藤は用意してきたメモを読みあげ、涙も浮かべながら、世界的に波紋を広げた女子ダブルスでの失格騒動にも言及した。

　プッツはマイクを持ち、その姿を優しく見守った。あうんの呼吸で頂点に立った２人。実は今大会、最終エントリー２分前に結成された急造ペアだった。ドイツメディア「ＷＡＺ」によると、互いに別のパートナーと組む予定だったが、必要なランキングポイントが不足していたという。加藤の当初のパートナーがプッツに加藤とのプレーを進め、その場で自己紹介をし、連絡先を交換したという。加藤があまり英語が得意ではない中、コミュニケーションに苦労しながらも、頂点まで駆け上がった。

　加藤は優勝スピーチで「パートナーのティムもありがとうございます。一緒にプレーできて、最高でした」と感謝。プッツも「みゆ、最高でした。この１０日間本当に大変でしたよね。そしてこの優勝で元気を出してくれればと思います。お互いにこの瞬間を楽しみたいと思います」と、加藤を思いやった。