17歳・小田凱人 四大大会史上最年少制覇 涙の頂点、パリ・パラリンピックにも弾み 国枝さんの言葉胸に

 「テニス・全仏オープン・車いすの部」(10日、パリ)

 シングルス決勝は男子で第2シードの17歳、小田凱人(ときと)=東海理化=が第1シードのアルフィー・ヒューエット(英国)に6-1、6-4でストレート勝ちし、同種目で四大大会史上最年少制覇を決めた。主催者によると、大会後の世界ランクでは現在の2位から史上最年少での1位に浮上することが確定した。女子は第2シードの上地結衣(三井住友銀行)が第1シードのディーデ・デフロート(オランダ)に2-6、0-6で敗れ、優勝を逃した。

 最後はヒューエットのリターンがアウトになり、小田はラケットを放り投げ、号泣した。「ここに来ていただいた方のパワーで勝てた」。赤く輝く夢舞台で頂点を極めた。

 相手には3連敗中だった。第1セットの第4ゲームは立ち上がりに2ポイント連取で勢いに乗り、ブレーク。このセット、一気に押し切った。第2セット、4-4で迎えた第9ゲーム。ブレークポイントを握ったラリーでバックハンドのショットを決める。直後のゲームで決着させた。

 9歳で左股関節に骨肉腫を発症し、車いす生活に。闘病中、2012年ロンドン・パラリンピックで国枝さんが金メダルに輝いた当時の映像に刺激を受け、10歳で競技を始めた。「これからの車いすテニスを引っ張ってくれ」との言葉は重く響いた。国枝さんとは今大会直前に練習。クレーコートでのノウハウを吸収しようとお願いした効果が出た。

 全仏は昨年、四大大会デビューした大会。自身の名前の由来となった凱旋(がいせん)門があるパリで、来年に同じ会場で実施されるパリ・パラリンピックにも弾みをつけた。

 ◆小田凱人(おだ・ときと)2006年5月8日、愛知県一宮市出身。9歳で左股関節に骨肉腫を発症、車いす生活に。10歳で競技を開始。15歳だった昨年4月にプロ転向した。同年の全仏で四大大会初出場。今年1月の全豪で四大大会決勝に初進出した。

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