「ＮＢＡ決勝・第５戦、ナゲッツ９４－８９ヒート」（１２日、デンバー）

　決勝第５戦が行われ、西カンファレンス王者のナゲッツが東を制したヒートに９４－８９で競り勝ち、対戦成績を４勝１敗として初優勝した。ナゲッツは７０－７１で迎えた第４クオーターに２８得点のヨキッチや１４得点のマレーを中心に主導権を奪い、厳しい守備で終盤まで続いた接戦を制した。ヨキッチが決勝の最優秀選手（ＭＶＰ）に輝いた。ヒートは１０季ぶりの制覇はならなかった。

　試合終了のブザーが響き、総立ちの観客が大歓声を送る。ナゲッツは攻守ですごみを発揮し、二転三転した接戦に残り２分を切ってからけりをつけた。初の頂点に、最多２８得点のヨキッチは「ベストなバスケットができた。しっかり成し遂げられた」と感慨に浸った。

　序盤からヨキッチは徹底マークされ、３人に囲まれる場面も。それでも身長２１１センチの万能センターは冷静にパスをさばき、味方の得点につなげた。最大１０点差をつけられても５人が２桁得点。層の厚さを武器に食らい付いた。

　２８歳のヨキッチ、２６歳のマレーら生え抜きの両エースを軸に、守備力の高いゴードンらを的確に補強。左膝の重傷からマレーが復帰した今季、個々が自己犠牲をいとわぬ抜群の連係を構築した。ヨキッチは「何事にも近道はない。素晴らしい旅路だった」と思いをはせ、チームの成熟がもたらした栄冠の味をかみしめた。