錦織圭 1年8カ月ぶり復帰戦を2セット連取で快勝「出来としてはよかった」614日ぶり勝利
「テニス・カリビアン・オープン」(13日、米自治領プエルトリコ)
男子テニスの元世界4位、錦織圭(33)=ユニクロ=が、1年8カ月ぶりの復帰戦に出場。世界ランキング333位クリスチャン・ラングモ(米国)と対戦し、6-2、6-4で快勝した。
ブランクを感じさせない強さを見せた。第1ゲームからブレイクを果たした錦織は、勢いそのまま第1セットを6-2で先取。
第2セットも見事なショットを連発した。第3ゲームでは、3度目のアドバンテージからラングモの裏をつくロブでブレイクし「カモン!」の声も響いた。第6ゲームはブレイクを許したが、第9ゲームをブレイクで取り返した錦織。第10ゲームは一度アドバンテージを許したが、連続ポイントで形勢逆転すると、最後はサーブ&ボレーで試合を決めた。
2021年10月9日、BNPパリバオープンの2回戦でダニエル・エヴァンスに敗れて以来612日ぶりとなる実戦。滝のような汗を流しながら、同1回戦以来614日ぶりの勝利に、試合後は感慨深げな表情を浮かべた。
試合後は、中継局のインタビューに「意外と順調だったなと思います。多分、今までの復帰1試合目で1番よかったんじゃないかと思えるくらいよかった。体は湿気と緊張といろんなものでかなり重かったけど、なんとか勝ててうれしかった」と錦織。「なるべく試合前はポジティブに、1試合目がどんなプレー、勝ち負けであろうと、ここに立てる幸せを感じながらやろうと思っていた。その割にプレー内容がよかったので満足しています」と振り返った。「相手のミスもありましたけど、自信がない中でもアグレッシブに、前に出てプレッシャーを掛けることをなるべくやろうと心がけていた。ちょっと足が動かなかったり、まだ自信がなかったり、緊張もあったけど、十分、出来としてはよかったと思う」と、率直に明かした。
錦織は昨年1月に股関節の手術を受け、リハビリ中に右足首を痛めた。良性腫瘍(ガングリオン)ができ、神経にも影響が及び、痛みを誘発した。「判明するまでに時間がかかり、治療が長引いた」そうで、11日の練習でも、この日の試合でも右足首にはサポーターを装着した。
11日の会見では一時は引退が頭をよぎったことも明かしつつ「やめるとかなり悔いが残ってしまう。まだ、そこには至れないところがある」と振り返った。「めちゃめちゃ長かった。心の中では、はち切れそうなストレスがあった。どれだけ早く自分の納得のいく姿に戻せるか。そこはチャレンジとして楽しむしかない」と抱負を語っていた。