慶大生レスラーの世界女王・尾崎野乃香 パリ五輪絶望的で号泣「何も考えられない」まさかの準々決勝敗退でぼうぜん自失

 稲垣柚香に背後を取られる尾崎野乃香(撮影・吉澤敬太)
 稲垣柚香に敗れ、肩を落とす尾崎野乃香(撮影・吉澤敬太)
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 「レスリング・明治杯全日本選抜選手権」(15日、東京体育館)

 世界選手権(9月・ベオグラード)代表選考会を兼ねて行われた。女子62キロ級で世界女王の尾崎野乃香(20)=慶大=は、準々決勝で稲垣柚香(至学館大)に逆転負けして敗退。昨年12月の全日本選手権に続いて優勝を逃し、24年パリ五輪代表は絶望的な状況となった。

 まさかの早期敗退に、世界女王はマット上でぼうぜん自失となりながら視線を落とした。第2ピリオド終盤まで6-2とリードしていたが、残り1分を切ってから立て続けに相手の攻撃を受けてしまい、終了間際に6-6で同点。最後にポイントを取った「ラストポイント」により逆転負けとなった。

 悲願だったパリ五輪に向けて、自力での五輪切符は消滅。試合後のインタビューでは「何も考えられない状況」と頭が真っ白といった様子で号泣。必死におえつをこらえるように「(パリ五輪へは)後がない状況で、優勝しないといけなかったんですけど…。決勝戦までに負けて、五輪の道が厳しくなってしまった」と声を上ずらせた。

 JOCエリートアカデミー出身で、21年から慶大に進学した文武両道レスラー。パリ五輪出場へは黄信号が灯ったが、「まだ大学生で今後もレスリングを続けるので、五輪に出て優勝するという大きな目標は変わらない」と声を絞り出した。

 ◆レスリングのパリ五輪への道 昨年12月の全日本選手権覇者は、今回の明治杯全日本選抜選手権も優勝すれば同9月の世界選手権(ベオグラード)代表となり、2大会で優勝者が異なる場合は代表決定プレーオフ(7月)を実施する。世界選手権でメダルを獲得すれば、パリ五輪代表に決まる。

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