バド協会、村井満氏が新会長就任「私を批判して」10人の“プロ集団”に異例の注文「飲み会は徹底的に」
不祥事からの再起を図る日本バドミントン協会は18日、都内で評議員会と理事会を開き、前Jリーグチェアマンの村井満氏(63)が新会長に就任した。また、新理事として元五輪代表の池田信太郎氏(42)ら10人が就任し、メンバー構成は外部が8割、女性が5割となった。村井会長は記者会見で「大変な不祥事で、隠ぺいとも解されるコンプライアンス事案を二度と繰り返さないために、どのようなガバナンスが大切か議論した結果、新布陣が確定した。最高の、最強のメンバーだと感じている。バドミントン界が変われば、日本のスポーツ界が変わると信じた(役員の)布陣になっている」と所信表明を行った。
内輪の役員メンバーによって隠蔽体質となっていた前体制への戒めで、非常勤の外部理事8割を実現。組織の透明性を強化するべく弁護士や会計士、企業経営者など各分野のプロフェッショナルを招へいしたが、村井会長は「それぞれの専門の立ち位置から、容赦なく私を批判して欲しい」と異例の“注文”をつけ、「私のような門外漢の素人人間をたたくことで、私も学んで強くなれる。バドミントンは(ラケットで)たたく競技ですから」と語った。
さらに、この日は新理事の元競泳五輪代表・井本直歩子氏がオンライン出席となったが、村井会長は「会議は基本ウェブでいいが、飲み会は徹底的にやろうと」とスタンスを明かし、笑いを誘った。「関係性が大事なので、議論はウェブでも十分できるが、忖度(そんたく)なく本音で批判ができるまで、しっかり飲み会をやりたい」と持論を述べた。
バドミントン協会は昨年明らかになった元職員による公金横領や、国庫補助金の不正受給を組織的に隠ぺいしていた問題などを受け、前会長と前専務理事が引責辞任。今年1月に村井氏を新会長候補として招へいし、副会長に就いていた。
村井新会長は、理事定数20人から10人への半減や、女性理事の5割登用など5つの改革ポイントを強調した上で「『魚と組織は天日にさらすと日持ちが良くなる』と(副会長)就任のときに話した。協会は一部の権限を持つ人のためではなく、バドミントンを愛する全ての人のためにあるんだから、(情報を)迅速に外に伝えようと。透明性の高い組織にしていきたい」と方向性を示した。