須崎優衣 絶叫V!世界切符獲得で五輪2連覇へ大前進「一緒に戦ってきた選手の分まで」

 女子50キロ級で優勝し、スタンドに手を振る須崎優衣(撮影・伊藤笙子)
 女子50キロ級決勝、吉元玲美那を攻め、ポイントを奪う須崎
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 「レスリング・明治杯全日本選抜選手権」(18日、東京体育館)

 世界選手権(9月、ベオグラード)代表選考会を兼ねて行われ、女子50キロ級決勝は東京五輪金メダルの須崎優衣(23)=キッツ=が21年世界女王の吉元玲美那(KeePer技研)を4-3で下し、2年連続6度目の優勝を果たした。男子フリースタイル65キロ級は東京五輪王者の乙黒拓斗(自衛隊)が制覇。2人は世界選手権でメダルを獲得すれば、24年パリ五輪代表に決まる。

 須崎が五輪2連覇に大きく前進した。22歳の元世界女王との大接戦となったが、2-1とリードしていた終了間際も自ら攻めてポイントを奪い、競り勝った。終了ブザーを聞くと強く手をたたいて「っしゃーー!!」と絶叫。相手のリクエストで映像判定となりスコアは覆ったものの、4-3での勝利が確定し、もう一度うなずいた。

 「絶対に優勝して世界選手権、そしてパリ五輪へ行きたいと強く思っていた。次につなげられてよかった」

 4年前は不慮のけがの影響もあり、一度は自力での五輪の可能性が消滅。その後、再び復活したラストチャンスをものにして東京五輪にたどり着き、悲願の金メダルを手にした。前回の苦い記憶が生々しく残っているだけに「今回こそは自力で五輪を決めて、パリへストレートに行きたい」と実感を込めた。

 一方、東京五輪で金メダルに輝いた日本女子4人のうち、須崎以外の3人は今大会で自力でのパリ切符が消滅。現時点では唯一、パリ五輪での連覇の挑戦権を手にした。「私の中で東京五輪代表には仲間意識がある。一緒に戦ってきた代表選手の分まで頑張りたい」と敗れた女王たちの涙を背負い、「五輪は簡単に行けるものではないからこそ目指す価値があるし、これこそが五輪予選(の険しさ)。五輪2連覇は私だから挑戦できること」と決意を込めた。

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