錦織圭が1年8カ月ぶり復帰大会でV「ビックリしてる」 引退危機乗り越え最高の再出発「夏の全米OP照準」
「テニス・カリビアン・オープン」(18日、米自治領プエルトリコ)
決勝が行われ、1年8カ月ぶりの大会出場となった元世界4位、錦織圭(33)=ユニクロ=は世界ランク1118位のマイケル・ゼン(米国)を6-2、7-5で下し、優勝を飾った。下部大会での優勝は2018年2月のダラス大会以来、5年4カ月ぶり。この優勝で休養中に消滅した世界ランクは500位前後で復帰する見込みとなった。
昨年ウインブルドンのジュニアで準優勝だった新鋭を序盤から圧倒。第1セットを6-2で奪うと、第2セットも一気に2ゲームをブレークし、5-2に追い込んだ。しかし、ここからゼンに巻き返されて、3ゲームを連取されて5-5となったが、第11ゲームを再びブレーク。第12ゲームをキープし、決着をつけた。
6日間で5試合、終盤は4連戦を乗り越えての優勝。試合後のインタビューでは「グラシアス。長くプレーしていなかったので、カムバックできてうれしい。このまま階段を上がっていけたら。これ以上臨めないぐらいの結果。ビックリしてる。夏の全米オープンに照準を合わせて、レベルを上げていきたい。早くトップ100に入れるように」と喜んだ。
錦織の優勝の報に、かつてビッグ4と呼ばれたアンディ・マレーも自身のツイッターで「素晴らしい」と、祝福した。
錦織は1回戦で同ランク333位クリスチャン・ラングモ(米国)に6-2、6-4で快勝。2回戦では同ランク258位のミッチェル・クルーガー(米国)に第1セットを奪われたが、見事な修正力で逆転勝ちし、準々決勝は同254位のアダム・ウォルトン(オーストラリア)に、準決勝は世界ランク423位のグスタボ・ハイデ(ブラジル)にそれぞれストレート勝ちで決勝に駒を進めていた。
錦織は昨年1月に股関節の手術を受け、リハビリ中に右足首を痛めた。良性腫瘍(ガングリオン)ができ、神経にも影響が及び、痛みを誘発した。大会前には、一時は引退が頭をよぎったことも明かしつつ「やめるとかなり悔いが残ってしまう。まだ、そこには至れないところがある。めちゃめちゃ長かった。心の中では、はち切れそうなストレスがあった。どれだけ早く自分の納得のいく姿に戻せるか。そこはチャレンジとして楽しむしかない」と語っていた。