元バレー日本代表・益子直美さんが日本スポーツ少年団本部長に就任 暴力指導根絶へ使命感「今が変わる時」

 バレーボール女子元日本代表の益子直美さん(57)が23日、日本スポーツ少年団の本部長に就任し、都内で会見した。日本スポーツ協会の副会長にも就き、「こんな大役を務められるのか不安はあるが、私なりに行動、勉強して頑張りたい。最初依頼をいただいたときは『絶対に無理です』とお断りしようと思っていたが、お話を聞いて、私がこれまでやってきた『監督が怒ってはいけない大会』と理念が合致する。何かできることがあるかもしれないということで、子供たちのスポーツ環境を良くしたいと思い、お受けした」と述べた。

 益子さんは中学1年からバレーボールを始め、日本代表でも活躍したが、25歳で引退。「高校3年のときに日本代表に選ばれ、たくさん得るものもあったが、勝利至上主義で怒るだけの指導を受けてきて、大好きで始めたはずのバレーボールがあっという間に大嫌いになり、早く引退したいという気持ちでバレーボールに関わってきてしまった」と自身の現役時代を改めて振り返った。

 2015年からは「監督が怒ってはいけない大会」を主催し、少年スポーツの現場における勝利至上主義に端を発した暴力的な指導からの脱却を目指した活動を続けてきたが、最初は「恩師を批判するのか」「益子がそういうことをやるから日本のバレー界はダメになった」などと批判の声が多かったという。「ようやく2年前くらいから賛同の声も増えている。スポーツ少年団の理念も同じで、今がスポーツ界が変わる一番大事なときだと感じている。子どもたちの楽しいスポーツ環境をつくるために、一生懸命できることを探していきたい」と抱負を述べた。

 バレーボールに限らず、少年団スポーツのトップとして暴力や暴言を伴う指導の根絶を目指し、「私自身は会議というよりも行動していきたい」と現場主義を標ぼう。「指導者や保護者の価値観も議論し、スポーツ界の価値を勝利至上主義だけじゃない価値観に変えていければ。スポーツが人間力を向上させてくれる素晴らしいものだともっと伝えていきたい」。

 監督が怒っては-での経験を踏まえ、「今は(指導者や保護者に)スポーツマンシップやアンガーマネジメントを学んで欲しいと思っているが、近い将来、教えなくてもいいというのが最大の目標。『監督が怒ってはいけない』も10年を目標にやってきて、今9年目。そろそろ『やらなくていい』『益子必要ない』と言われるのが目標」と、新たな価値観の浸透をゴールに掲げた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス