休養明けの多田修平 10秒21で2位、東京五輪のバトンミスから「殻破れそう」布勢スプリント

 男子100メートル決勝で2位に入った多田修平(中央)
 男子100メートル決勝でゴールする鈴木涼太(左)と2位の多田修平
 男子100メートル決勝 10秒17で優勝した鈴木涼太(左から2人目)。同3人目は2位の多田修平
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 「陸上・布勢スプリント」(25日、ヤマタスポーツパーク陸上競技場)

 男子100メートル決勝で、鈴木涼太(24)=スズキ=が10秒17(追い風1・7メートル)で優勝。今季途中に休養を挟んでいた東京五輪代表の多田修平(27)=住友電工=が、10秒21で2位に入った。予選は10秒31(追い風0・9メートル)だった。

 5月に約2週間、完全休養した多田は、同14日の関西実業団で復帰し、今大会へ臨んだ。関西実業団では10秒63と低調だっただけに、東京五輪後のベスト記録となる10秒21に「よくここまで短期間で戻った」と胸をなで下ろした。

 4月の織田記念後に「メンタル面(の不調)が大きかった」と走ることもトレーニングもやめて休養に入った。「(試合に)出たくない気持ちが強かった」と精神的に追い込まれたのは、東京五輪400メートルリレーでのバトンミスがネット上でバッシングされたことも大きかった。

 休養期間は友人と食事に出かけるなど競技から離れてリフレッシュした。その時期に、同じ五輪リレーメンバーだった桐生祥秀(日本生命)が、木南記念で10秒03の好記録をマークしたのを見て、再び走り始めたという。「優しい先輩で友人、仲間がそういうタイムを出した。五輪メンバーが走ってくれてうれしかった」とモチベーションを取り戻した。

 この日は、同じリレーメンバーの山縣亮太(セイコー)とも再会し、「来年に向けて一緒に頑張ろう」と誓い合った。東京五輪の悪夢から2年。「やっと殻が破れそう」と取り戻した笑顔は本物だった。

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