ラグビー代表 複数選手が顔に大きな傷パッド なぜ? 稲垣啓太が壮絶タックル練習明かす「相撲だった」
ラグビー日本代表が26日、千葉・浦安合宿を行った。公開部分では戦術の確認が中心だったが、フッカー堀江翔太(37)=埼玉=ら複数の選手の顔には傷を保護する絆創膏のようなパッドが貼られていた。取材に応じたプロップ稲垣啓太(33)=埼玉=は「タックルセッションをやり過ぎて、切り傷や擦り傷ができた」と理由を明かした。
9月に開幕するW杯フランス大会へ「今までで一番キツい」と選手らが口をそろえる練習がある。スポットコーチとしてオーストラリアから招かれたジョン・ドネヒュー氏が指導したトレーニングだ。
その練習では1時間止まることなく相手と体をぶつけ合い、タックルなどを繰り返す。膝に手をつくことに加えて腰に手を当てるなど、とにかく休む姿勢ができない。禁止のルールを破ればペナルティーの馬跳びなどが科せられる。ぶつかり合いは激しく、稲垣は「相撲だった」と表現。「張り手や、前のめりになって押してきたら、はたき落として首を絞め上げてもいい」とも振り返った。
ただ、厳しいトレーニングに成長は実感。選手らは「体が大きくなった」と話す。また、試合中に膝に手をつくなど疲れた姿をさらせば、弱点と見なされ狙われるところだが「弱みは見せない」(稲垣)と力強く立ち続ける心身を作り上げてきた。顔に傷を負ったSH斎藤直人(25)=東京SG=も「筋肉痛がすごい」と今後のフィジカル向上に期待した。
「大事なのは自分たちが苦しい時間帯に100%準備してきたパフォーマンスを出せるかどうか」と稲垣。まずオールブラックス・フィフティーン戦(7月8日、秩父宮ラグビー場)で成果を示す。