加藤未唯の全仏失格問題 渦中のブズコワが反論 失格は「推測の余地ない」 嘲笑疑惑も「スペイン語の文法間違い笑っただけ」
6月の全仏オープン女子ダブルスで、日本の加藤未唯(28)=ザイマックス=が返球の際にボールガールにボールを直撃させ、失格となった問題で、失格を促したとして批判にさらされている対戦相手だったマリー・ブズコワ(チェコ)が4日、チェコメディア「iROZHLAS」のインタビューで心境を語った。
「パリの後、すべてが間違った方向に向かい、私がキャリア全体で築き上げたものは忘れさられてしまった」と嘆いたブズコワ。失格については「審判や他の選手と話し合い、実際に何が起こったのか説明を受け、彼らは推測の余地が何もないことを認めた。ソーシャルメディアで何かを書いた選手たちとも話し合った」と強調。インターネット上で出回った動画が15秒しかなかったことに「最悪だったのは、彼女がゆっくりとボールを打ち、すぐにそれを追いかける15秒の動画がインターネット上に1分しかなかったこと。実際、彼女が(ボールガールに)謝罪しにいったのは10分ほど経ってからであり、主審が行った時だけだった」と指摘。ブズコワとパートナーのソリベストルモが笑みを浮かべているシーンがあったことについても「私がスペイン語で文法的に間違ったことを言ったら、サラはそれを笑った。彼女たちが失格になった後に私達が不適切に笑ったようだったが、現実はそうではない」と、断言した。
ブズコワはウインブルドンを前に、久々にSNSを更新し、「スマイル」と笑顔の写真を投稿したが、コメント欄には誹謗中傷が相次いでいる。「下のコメントは読みたくない」としつつ「子供たちは写真を求めて私に駆け寄ってくる。私にはまだファンがいます。それは私にとっていいニュースです」と語った。
◇加藤の全仏オープンでの失格騒動
加藤はスーチャディ(インドネシア)と組んだ女子ダブルス3回戦で、ブズコワ(チェコ)、ソリベストルモ(スペイン)と対戦。プレーが途切れた際に落ちていたボールを返球したが、これがボールガールに直撃。危険行為として失格となり、賞金とポイントを没収。これを不服として四大大会側に提訴していたが、却下された。
加藤はインタビューの中で、「相手にサーブを打たせるためにボールをボールキッズにパスしただけ」と改めて説明。当初警告だったが、相手ペアの抗議もあり、失格となった際には審判とスーパーバイザーから「男の子だったら大丈夫だったと思う」、「ボールガールが15分以上泣き続けたので決断を下さなければならなかった。5分後に泣きやんでいたら問題なかった」、「足や腕だったら大丈夫だった。首だったから」などの言葉があったという。