柔道ウルフ・アロン 完全復活に手応え「かなり戻ってきている」 逆転パリ五輪切符へ闘志「自分が第一人者だと」
柔道男子100キロ級で東京五輪金メダルのウルフ・アロン(27)=パーク24=が9日、約3週間の海外遠征を終えて羽田空港に帰国した。6月のグランドスラム(GS)・ウランバートル大会(モンゴル)では準決勝で敗れたものの、国際大会で久々の表彰台となる3位。昨年12月は2大会連続で初戦敗退と精彩を欠いたが、今回は再三投げてポイントを奪うなど試合勘も取り戻しつつあり「結果としては目標(優勝)は達成できなかったが、パフォーマンスとしては技の力や試合の組み立てはかなり戻ってきている実感を得た」と完全復活への手応えを示した。
同階級ではライバルの飯田健太郎(25)=旭化成=が世界選手権で2年連続、表彰台を逃すなど、パリ五輪代表争いは混とん状態。ウルフも出遅れていたが何とか代表戦線に踏みとどまり、出場する可能性が高い8月のマスターズ大会(ブダペスト)、12月のGS東京大会(東京体育館)と巻き返すチャンスが残されているだけに「五輪まで1年しかないので、ここでしっかりと自分が100キロ級の第一人者だというところをアピールしたい」と逆転切符へ闘志を燃やした。
モンゴルの大会を終えてからはスペインに渡航し、国際合宿で海外勢と組み合って実戦感覚を養った。他階級では五輪代表が決まる階級も出てきているが、「他の階級を意識しても何も始まらない。自分自身の階級で、自分がしっかり代表を取るための道筋をハッキリさせながら戦うのが一番大事」と自身の戦いだけに集中力を高めた。