17歳小田凱人 四大大会連覇!国枝さんから金言授かり栄冠「夢の中にいるよう」
「テニス・ウィンブルドン選手権」(15日、ロンドン)
車いすの部の男子シングルス決勝で、第1シードの小田凱人(東海理化)が第2シードのアルフィー・ヒューエット(英国)に6-4、6-2でストレート勝ちし、初優勝を果たした。全仏オープンに続き、四大大会2連勝とした。17歳69日での制覇は男子で大会最年少記録となった。
両手を広げ、目をつぶって勝利をかみしめた。小田は「本当に幸せ。(四大大会で)2回連続で優勝できて、自信も芽生えた」と誇った。
地元英国のヒューエットを応援するファンが詰めかけた一戦。第1セットは1-4から5ゲームを連取し、第2セットは0-2から6ゲームを奪う。強烈なショットで流れをつかみ、積極的に前に出る姿勢を貫いた。
国枝慎吾さんは昨年、5度目の出場でつかんだタイトル。小田はこう助言されたという。「守備をしちゃいけない」。健常者男子の「芝の王者」ロジャー・フェデラー(スイス)から国枝さんが受けたアドバイスと同じように、機動力が生かしにくい芝コートの攻略法を授かっていた。
コート上のスピーチでは17歳だけに「シャンパンを開けられたらよかったんだけど、炭酸水かな」と英語で冗談めかすと、スタンドから喝采を浴びた。今後の目標にパリ・パラリンピック金メダルと四大大会全制覇を合わせた「生涯ゴールデンスラム」を掲げ「まだ完璧ではない。もっと積極的に、もっと速くなる」と貪欲に話した。
◆小田凱人(おだ・ときと)2006年5月8日、愛知県出身。9歳で左股関節に骨肉腫を発症、車いす生活に。10歳で競技を始め、15歳でプロに転向した。昨年の全仏オープンで四大大会に初出場。今年の全仏の男子シングルスで四大大会史上最年少優勝を果たした。